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実録/ラマン、その36、愛しいさを綾子に感じてしまっていたのでした。









実録/ラマン、その36、愛しいさを綾子に感じてしまっていたのでした。
 
「うん‥もう平気!  ‥‥‥‥‥  

痴漢には何時も合っているからもう慣れっ子になってる‥!

ただ‥ジロー兄が傍に居たからとっても恥ずかしかった!」
 
「ごめんな‥直ぐに気づいてやれなくて‥!」
 
「ん~ん‥ッジロー兄のせぇじゃ無いよ‥

  ‥‥‥‥‥  嬉しかったよ‥‥」
 
「えッ‥!?‥‥何が‥?」
 
「 ‥‥‥‥‥  私の事‥奥さんって言ってくれた事‥」
 
「あ‥ッ!!ごめん‥

気がついた時にはつい口から出てたんだ‥!」
 
「ん~んッ‥私‥、嬉しくって‥  ‥‥‥‥‥

あの時‥涙が出そうになって必死で我慢してた‥!」
 
そう言う綾子の瞳に僅かに滲む涙を見た私は、‥‥
 
言い知れない愛しいさを綾子に感じてしまっていたのでした。

私達は食事を済ませると、

人混みで賑わう公園通りの石畳を腕を組んで

公園へと歩いていきました。
 
媚薬(花痴)は既に綾子がトイレに立った隙に、

彼女の飲みかけのアイスティー の中に気付かれない内に注ぎ入れました。
 
その際、私もバイアグラ一粒を前もって飲んでおきました。
 
何も知らない綾子が媚薬入りのアイスティーを

飲み干してから既に10分程が経っています。
 
腕時計を見ると時刻は14:00を過ぎています。
 
私は公園に向かう道すがら、

何時しか妻の事を考えていました。
 
妻は今頃‥

上田君と燃える様な激しいセックスをしているでしょう‥
 
特に、今回は上田君の都合で日程を伸ばされ、

私も今日の事を考え月曜日以降、敢えて妻の事を抱かないで

我慢していたので、

多分、妻はかなりの欲求を溜め込んでいた事と思います‥
 
其ゆえに今日の妻の乱れ様は、

かなりなものになるに違い有りません。
 
その二人の乱行振りと、

彼の前でしか見せない妻の恥態は‥

今頃、確りと隠し撮りされている事でしょう‥
 
その事を考えると‥嫉妬と興奮の渦が、
躰の奥底から湧き上がってきます‥
 
「どうしたの‥?」
 
突然の綾子の声で、私は〃ハッ〃となり我に返りました。
 
「‥ぇ‥いや‥ッ別にどうもしてないよ‥!」
 
「うそ‥!今、何か考え事してたでしょう‥?」
 
「‥何で‥?」
 
「だって‥心‥此処に有らず‥って顔してたわよ‥!」
 
「‥‥‥‥‥」
 
「やっぱり‥!

 ‥‥‥‥‥‥  ひょっとして‥

お姉ちゃんの事、考えてたの‥?」
 
「ぁ‥ああ~!‥」
 
「やっぱり気になる‥?お姉ちゃんの事?」 
 
「まぁね‥!気にならないって言ったら嘘になる‥」 
 
「そうよねぇ‥

お姉ちゃんの事‥愛しているんだもん‥

気にならない筈がないわよね‥!」
 
「‥‥‥‥‥‥」
 
私は何も答えられずにいました。 
 
 
私達は井の頭公園に着くと、

そのまま溜め池を囲むように作られた園内の遊歩道を

散歩する事にしました。
 
土曜の午後とあって家族連れや、カップル等、

多くの人々が散歩を楽しんでいます。
 
広場では路上ライブをする若者やビートダンスを

楽しむ若者達で賑わっています。
 
遊歩道の両脇には青々と繁った樹木が遊歩道に影を作り、

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実録/ラマン、その35、お前ら人の女房に何やってんだッ‥

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実録/ラマン、その35、お前ら人の女房に何やってんだッ‥

新宿駅には、予定通り12:30に着き

改札を抜けて人混みを掻き分けながら、東口の階段を駆け上がり、

目の前のアルタ二階の紀伊国屋書店に急いで向かいました。

店内に入り、多くの人で混み合っている店内の中、

綾子の姿を探しながら辺りをキョロキョロと見回していると、

私の姿に気付いた綾子が小さく手を振りながら小走りで駆け寄ってきます。
 
ビビットピンクのユニットに柄物のシフォンスカートで着飾り、

アダルトな雰囲気を醸し出している綾子を、

周りの男逹が振り返って見つめています。
 
私は男として優越感に浸れる瞬間を味わっていました。
 
「遅くなってゴメン‥待った‥?」
 
「んーん‥、私もついさっき来たとこ‥!」
 
「そう‥じゃあ行こうか!」
 
「‥うんッ‥!」
 
店を出た私達は、

連れ立って駅前広場に向かって歩いて行きます。
 
「何処に行こうか‥‥?

綾ちゃん‥何処か行きたい所とか有る‥‥?」
 
「うん、有るよ!」
 
一応、私は自分なりに予定を考えてはいたのですが、

先に綾子の希望を聞いてみてからと思い尋ねてみたのです。

綾子も自分なりに行きたい所を前もって考えて来てたみたいです。
 
「‥何処‥?」
 
「‥井の頭公園‥!

お天気が良いから公園を散歩してみたいの‥!」
 
 
「井の頭公園かあ!そう言えば暫く吉祥寺も行ってなかったなあ‥

何か懐かしいなあ‥分かった‥! じゃあ行こうか‥!」
 
「うん、行こう!」
 
綾子は嬉しそうに満面の笑みを浮かべています。
 
私達は改札を通って中央線乗り場のホームに立ち

快速電車が ホームに入って来るのを並んで待ちました。
 
「今日‥お姉ちゃんは‥?お家に居るの‥?」
 
電車を待つざわついたホームで突然、綾子が尋ねてきました。

私を見つめる綾子は心配そうな表情で私を見ている‥
 
「いや‥出掛けた‥今日は昼から陶芸教室の生徒達全員で、

鎌倉に行くんだって言って昼前に出掛けたよ‥!」
 
「‥‥ふ~ん‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そうなんだあ‥‥」
 
そう答えた綾子は、何かを言いたげにしていたが、

それ以上、綾子の口から言葉が吐いて出る事はありませんでした。
 
「今日由依ちゃんは ‥?

お母さんに預けて来たの‥?」
 
 
「うん‥!
お昼からお仕事だって言って出て来ちゃった‥!」
 
「そうかあ‥‥‥‥何か後ろ髪引かれるなあ‥‥」
 
「お互いにね‥!‥‥」
 
私達はその後、

無言のままで電車がホームに入って来るのを待ちました。
 
快速電車が来てドアが開くと、

人の波に 押される様になりながら、

車内奥へと押し込まれながらも、

何とか二人並んで吊革に掴まる事が出来ました。
 
土曜の昼だと言うのに快速電車だからなのか、

車内は大変な込み様です。
 
電車が走り出し、

吊革に掴まった私達は窓の外の流れる景色を

お互いに無言のままで眺めました。
 
電車が揺れる度に、

吊革を握る拳に力を入れながら揺れに身を任せます。
 
隣に立つ綾子の躰からは、

言い様のない甘い香りが漂ってきます。
 
その時でした。
 
私の右隣に立ってる綾子が躰を擦り寄せる様にしながら、

左腕を私の右腕に絡ませると私の腕を握りしめ、

躰を密着させてきたのです。
 
私はどうしたのだろうと思い、

視線を移し綾子の顔を覗き込みました。
 
俯いたままの彼女は顔を赤らめ眉間にシワを寄せ唇を

噛み締めています。
 
‥‥‥‥‥気分でも悪いのか?‥‥
 
私は心配になり、

小声で綾子に尋ねました。
 
「どうした‥?大丈夫か‥?気持ち悪い‥?」
 
綾子は唇を噛み締めたまま、無言で顔を左右に小さく振ります。
 
その様子を見て、

私はこの時初めて、〃ピーン〃ときたのでした。
 
吊革を掴んだ左腕に力を込めて

腕を伸ばしながら上体を反らせ綾子の下半身に視線を落としました。
 
‥痴漢!!‥ ‥マジかよぅ!‥
 
綾子の後方に立って折り畳んだ新聞紙を片手で読んでる

スーツ姿のサラリーマン風の男の左手のひらが、

綾子のスカートの中で怪しく動いています。
 
それだけではないのです。
 
綾子の右隣に立った男の左手のひらも、ス

カートの中に入れられ動いているのです。
 
その男は正面を見たまま澄ました顔で窓の外を眺めています。
 
その光景を目の当たりに見せられた私は一気に頭に血が昇り、

咄嗟にドスの効いた低い声で二人の男に

向かって言葉を吐いていました。
 
「おいッ‥!!

お前ら人の女房に何やってんだッ‥!」

一瞬にして男達の手が綾子のスカートの中から飛び出しました。
 
私の声に気づいた周囲の人々の視線が男達に注がれます。
 
二人の男達は突然の事に余程驚いたのか、顔を伏せて黙り込んでいます。
 
綾子に声を掛けます。
 
 
「大丈夫か‥?‥‥‥‥ こいつら警察に突き出そうか‥?」
 
 
綾子は俯いたまま、小さく顔を左右に振っています。
 
「良いのか‥何もしないで‥?」
 
「‥‥うん!‥‥」 

小さく頷きながら綾子が答えました。
 
「じゃあ、次の駅で降りるよ‥!」
 
再び綾子が小さく頷きました。
 
電車がホームに入りドアが開くと、

私達は下車する人々の流れに続き電車を降り、

年甲斐もなく手を繋いだまま、

空いている車両を選び、再び電車に飛び乗ったのでした。
 
目的地迄はあと二駅の所まで来ていたので、

それから間もなくして電車は吉祥寺駅に着きました。
 
改札口を抜けて

公園通り商店街に向かいます。
 
今日は本当にいい天気だ‥

午後の陽射しが秋緑の街並みを眩しく照らしている‥ 
 
清々しい初秋の風が私達の躰を通り過ぎていきます。 
 
実に気持ちの良い午後です。 
 
綾子の左腕は先程からずっと私の右腕に絡まったままです。
 
吉祥寺は昔とは随分変わってしまい、

今は若者達で賑わう街になっています。
 
この歳で若いカップルの様に腕を絡ませながら歩くには、

流石に気恥ずかしさを感じます。
 
しかし綾子には、

そんな事を気にする様子など全く無く、

今は先程の電車の中の表情とは別人の様に変わり、

嬉しそうな表情で瞳を輝けせながら歩いています。
 
公園に向かう道すがら、

洒落たイタリアンレストランを目にした私は綾子に声を掛けました。
 
「綾ちゃん‥!何か軽く食べようか‥?」
 
「うん‥!喉も渇いたしね‥! 冷たい物でも飲みましょう‥!」
 
店内に入り喫煙席を申し出ると、窓際のテーブル席に案内されました。
 
パスタとソフトドリンクをお互いに頼みタバコに

火を付けて一息つきます。
 
綾子もタバコは、メンソールのタバコを吸います。
 
「綾ちゃん‥もう大丈夫‥?」
 
私は先程痴漢に合った綾子の事が気になっていました。

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実録/ラマン、その34、二度と後戻りの出来ない禁断の世界へと続く迷路へと歩みます。









実録/ラマン、その34、二度と後戻りの出来ない禁断の世界へと続く迷路へと歩みます。 

洗濯物を篭から取り出すのに前屈みになる度にヒップの谷間に

くっきりと浮かび上がるスパッツの中のバギナの形が実に淫らしい‥

私は窓際に歩み寄ると妻に声を掛けました。
 
「おはよう‥!」
 
私の声に一瞬ビクッと驚いた様子を見せた妻が

洗濯物を両手で広げたままの格好で振り返りました。
 
「ああ‥びっくりした‥!!

 ‥‥‥‥‥‥‥ おはようパパ‥!

 ‥‥‥‥‥‥‥ 朝御飯にする‥?」 
 
振り向いた妻の顔には既に綺麗に化粧が施されていました。

「ああ‥食べるよ‥!」 
 
「トーストとハムエッグで良い‥?」
 
「うん‥良いよ!」 

「ちょっと待ってね‥

これ干し終えたら直ぐに支度するから‥!」
 
「ああ‥判った!」 
 
私は妻にそう言い残すと、睡眠不足の身体を呼び覚ます為に

熱いシャワーを浴びに浴室に向かう事にしました。
 
シャワーを済ませ、リビングに戻ると妻の姿は既にそこには無く、

テーブルの上には入れたてのコーヒーと朝食が並べられていました。
 
それから暫くして、朝食を終えかけた頃、

身支度を整え綺麗に着飾った妻が二階から降りて来ました。
 
時刻は間もなく11:00になろうとしています。
 
赤のギャザーカットソーのブラウスに、レースのボーダーを身に纏った姿が、

何時もよりも妻を若々しく魅せています。
 
「もう行くの‥?」
 
「うん‥!

12:00に渋谷駅に集合だから‥

遅れない様に早めに出掛けるわね‥!」
 
「そう‥帰りは‥?何時頃になる‥?」
 
「うん‥18:00頃迄には帰れると思う‥! 梨恵には言って有るから‥!

パパは‥?何処にもお出掛けしないの‥?」
 
「そうだなあ‥少し気晴らしに久しぶりにパチンコでも

してみようかなあって思ってるんだけど‥?」
 
「あら、珍しいわねパパがギャンブルなんて‥!

余り熱くなっちゃ駄目よ‥!」
 
「ああ判ってる‥!沢山出たらお土産持って帰るよ‥!」
 
「はいはい‥程々にね‥!それじゃあ行って来ます‥!」
 
そう言うと妻は微笑みながら私の唇に軽くキスをして出掛けて行きました。
 
私ももう暫くしたら綾子に会いに出掛けます。
 
私達夫婦は‥

ひょっとして二度と後戻りの出来ない禁断の世界へと続く迷路へと

迷い込もうとしているのかも知れない‥と、

この時私は感じていたのでした。

時刻は11:40分‥
 
外出の準備を早めに済ませ、時間を持て余ましてしまった私は、

ソファーに腰を降ろしタバコを燻らせながら

午後のニュース番組を観て時間を潰していました。
 
テーブルの上に置いた携帯がメールの

受信音を鳴らしたのはその時でした。
 
携帯を開きメールを確認します。
 
《おはよう(^_^)v電話しても平気ですか‥? 綾子
  
綾子からのメールでした。
 
私は急いでメールを打ち綾子に返信メールを送りました。
 
《うん、大丈夫!電話して良いよ!》
 
私達は先日、新宿で二人っきりで会って以降メールの交換を

始める様になっていたのです。
 
とは言っても、昼間はお互い仕事をしているし、

妻に怪しまれるとまずいので夜はメールを一切しない様にしていたので

日に数回のメール交換しかしていないのが実情です‥。

程なくして綾子から着信が入りました。
 
急いで電話に出ます。 
 
「おはよう綾ちゃん‥!どうした‥ッ?何かあったの‥?」
 
「おはようジロー兄‥!んーん‥どうもしてないよ‥

ジロー兄‥何してるのかなぁ‥って気になってメールしてみたの‥!」
 
「そうかあ‥

俺はもう、とっくに支度を済ませて今、テレビを観てたとこだよ‥!」
 
「な~んだ‥ジロー兄も私と同じだったんだ‥!

私も早くから出掛ける準備済ませて時間をもて余していたの‥!

じゃあさぁ‥お互い直ぐに出れるみたいだし時間早めちゃおうか‥?」
 
「ああ、良いよ‥!俺も今、そんな風に考えていたとこだったんだ‥ッ!

 ‥‥じゃあ今から急いで出掛ける準備するから‥!」
 
「うん、分かった‥それじゃあ私、先に行って待ってるね‥!

紀伊国屋書店で良いんだよね‥?」
 
「うん、‥アルタの二階ね‥!

今からだと、多分‥、12:30分迄には行けると思うから‥!」
 
「うん、分かった!それじゃあ後でね‥バイバイ‥!」
 
綾子からの電話を切った後、私は急いでジャケットを羽織り、

家の戸締まりを確認して自宅を出ると、

赤坂見附駅に向かい新宿行きの電車に飛び乗りました。
 
ジャケットのポケットの中にはバイアグラと、二種類の媚薬‥

《花痴・縮淫膏》を忍ばせていた事は言うには及びません。
 
 
 

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実録/ラマン、その33  同じ日にW不倫です。








実録/ラマン、その33  同じ日にW不倫です。
 
9/27 約束の日‥

 
土曜の朝‥

私は、睡眠不足の気だるさを全身に感じ眼を覚ましました。

 
重い瞼を開き、

ぼやけた視界の先に見える置き時計の針に

視線を向け時刻を確認します。
 
時計の針はまだ10:00を回ったところです。
 
綾子と約束した13:00の待ち合わせにはまだ3時間も有ります。

少しばかり早く目が覚めてしまった‥。
 
昨夜の私は、

今日の綾子との初めての行為をあれこれと想像してしまい、

年甲斐もなく期待と興奮で気持ちが高揚し、

眼が冴えてしまい朝方までなかなか寝付けないでいた‥
 
ほんの数時間の浅い睡眠からの目覚めです。

既に寝室に妻の姿は在りません。
 
今日は‥妻が初めて上田君の自宅に行く日でもあります。
 
そしてそこで繰り広げられる二人の情交シーンを妻には

内緒で隠し撮りをする‥

待ちに待った日が遂にやってきたのです。
 
上田君に抱かれながら彼の腕の中で乱れ卑猥な言葉をあげながら

喘ぐ妻の姿‥
 
その声は既に何度か聴いてはいます‥。
 
しかしその妻の姿を映像を通して観る事は今までとは

比べ物にならない程、興奮の度合いが違うと思います。
 
寝取られが最高の媚薬剤となってしまった今の私には

その事を想像するだけ自然と股間が熱くなってしまいます。
 
昨日私は上田君に連絡を取り、

彼の自宅の住所と今日の待ち合わせ場所、時間の確認をしました。
 
彼の自宅は新橋駅から歩いて数分の所に建つ10階建ての

分譲マンションらしい‥。
 
場所的に言ったらかなりの高額物件だと思われる‥。
 
あの若さでそんな所に住む事が出来るなんて実に大した男である。
 
今日は彼に手料理を作ってあげると言って妻は張り切っているらしい‥
 
待ち合わせは12:00に新橋駅にしたそうです。

 今日は午後から陶芸教室に出掛けると、

妻から前もって聞いていた私は、

昨夜久しぶりに妻の困った顔を少しだけ見てみたくなり、

夕食の時に釜をかけて質問をしてみました。
 
「そう言えばママ‥明日は陶芸教室の日だって言ってたっけ‥?」
 
突然の私の問いかけにそれまで普通に食事をしていた妻が、

一瞬動揺の表情を見せました。
 
「ぇ‥!え~、そうよ‥!

11:00頃には出掛けるつもりにしてますけど‥

良いかしら‥?」
 
「ああ、構わないよ‥!

 ………………… そう言えば‥、

ママの陶芸教室って…

見学希望者はそこの生徒の紹介が有れば誰でも見学出来るって

前に言ってたよね…?」
 
「ぇ‥え~そうね‥

前もって申請すれば見学は出来ると思うわよ‥!」
 
「そうかあ‥‥それなら明日‥

俺も一緒に陶芸教室‥行ってみようかなぁ‥

明日俺、別に予定も無いし‥、

それに前から一度、ママが轆轤を回してる姿も

見てみたいと思っていたし‥! 

 ‥‥‥‥‥‥‥ 一緒に行っても良いかな‥?」

「えッ‥!!‥‥‥‥‥‥‥ ぇ、えー‥っと‥

明日は無理よ‥!

明日は窯だしで全員が鎌倉の窯所に行く日なの‥!」
 
かなり動揺しています‥

眼を〃パッチリ〃と見開き、

言葉に詰まりながらも必死で言い切る様な口調で

言い放った言葉が余りにも不自然でした。
 
人は咄嗟に嘘をつく時、

自分でも気付かない内に必ずどこかに不自然差を

現してしまうんだと思う‥
 
「そうかあ‥それなら仕方ないよなぁ‥!」
 
「ごめんなさいね‥残念だわ‥

パパがせっかく陶芸に興味を持ってくれてるのに‥!」
 
「ああ、良いさ‥!また次の機会も有るし、

ママが教室を辞めない限り何時でも見学は出来るんだから‥!」
 
「そうね‥!

近い内必ず一緒に行きましょう‥ね!」 

そう呟いた妻の表情には先程の動揺した表情とは

違う安堵感が漂っていました。 
 
陶芸には殆ど興味の無い私なのですが‥

妻は本気にしてしまったようでした。
 
寝不足の気だるい身体を起こしリビングに降りると

眩しい朝の光が室内に射し込み、

全開に開かれたリビングサッシの窓の外からは心地好い初秋の

朝風が室内へと流れ込んでいます。
 
その窓の向こうでは洗濯物を干してる妻の姿がありました。
 
黒のスパッツを履いてこちらに背を向けたままの妻の後ろ姿が

妙に眩しく映って見えます‥

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