交換デート、その29、最終回です。
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交換デート、その29、最終回です。
これから先はあまり面白くありませんが、
最後まで読んでいただければ光栄です。
妻が泣いたのを見たのは、実はこの日が始めてでした。
なので、私は、内心ではかなりオロオロいていました。
妻に、前回の生理の始まった日を尋ねたとき、
初めは黙ったままでしたが、
最後に、3週前の木曜から先々週の月曜の間だと白状しました。
それで、月曜が生理の始まった日だと仮定して、次の予定日を…
という言葉に繋がります。
サレ、シタで分けると、私、結美、直子がサレ、
妻、桐谷、北川がシタですから、
結美も直子も、私と同じ被害者です。
それに、私の息子と、結美の息子、直子の次女は、
同い年で仲の良い友達でしたし、
直子の長女も、私の息子にとっては面倒見の良いお姉さんであり、
結美、直子は子どもたちの良きお母さんです。
なので、彼女達を苦しめることは、子ども達を苦しめることに
なりますから、
そのような発想は全くありませんでした。
ただ、私と結美がきっかけの一つを作ってしまったことも事実ですので、
全ての責任が妻にあるとも思っていません。
それについては、結美自身も、とても責任を感じていました。
桐谷と北川は論外ですが…
直子については全く何も知らない立場ですので、
巻き込むのはお門違いだと思います。
でも、結果的に巻き込むことになってしまいましたが…
結美の話によれば、旅行から帰った日の夜、私達夫婦と同様に
修羅場だったようです。
まあ、修羅場というよりは、桐原に対する結美の一方的な
集中砲火だったのではないかと私は思っていますが…
そのときに、二泊三日の旅行の間に、桐谷が何をしようとしたか、
そして何をしたのか白状させたそうです。
彼女も何を考えているのか、あの離れ家での行為も
詳細に白状させていました。
それも、桐谷が覗いていた北川の行為も…
実は、結美は、離れ家でのことを桐谷に白状させたときに、
その会話を録音していました。
また、以前、桐谷が浮気したきに浮気相手とのハメ撮りを
していたそうで、
今回ももしやと思い、携帯を没収したところ、やはり…
しかも、旅行の半年ぐらい前に、桐谷は浮気をしていたらしく、
そのときの画像も残っていたそうです。
これで、桐谷は完全に窮地に追い込まれてしまいました。
桐谷が最初に浮気したときに、結美は義両親（桐谷の両親）に報告し、
いろいろ約束させていたそうなので、
今度桐谷が不始末をしでかしたときには、彼の父親からも
制裁を受けるようです。
そして、後日、桐谷が白状したときの録音データと、桐谷が撮影した
動画データが、結美から私に渡されました。
妻が告白した内容と、結美から聞いた話と、録音データと、
動画データを基に、私の妄想を加えて書いたものです。
動画を見たときは、初めは現実感がなく、
興奮はなかったと思います。
映像が不鮮明だったこと
（妻をしている人がこの女性は妻だと教えられて初めて
妻なんだとわかる程度）、
動画が細切れだったこと
（多分体位を変えたり何か変化がある度に少しずつ
撮影したんだと思います）
何より妻があんな格好をしていること自体に
現実感が沸きませんでした。
何しろ、それまでの妻は、明るい部屋ですること、
股を大きく開くことは、恥ずかしいからＮＧでしたし、
自分の様子を見られるから、騎乗位もＮＧでしたし、
動物みたいな気分になるからと言って、バックもほとんどやらせてくれません。
そんな妻が、明るい部屋で、大股開いたり、片足を高々と上げたり、
騎乗位で自分で腰を振ったりしてるんですから…
動画を見る前は、普通に正常位でしている様子を
想像していましたので、本当にびっくりです。
これは本当に妻なのかと思って見ていました。
しかし、動画を見終わった後に妻を見たときに、悔しさと共に、
何とも言えない感情が沸いてきました。
多分妻を滅茶苦茶にしたいと考えていたと思います。
ただ、そのときは、妻と絶縁状態（私の方が一方的に）でしたので、
結局何もしませんでしたが…
まあ、そんな感じでした。
妻は、あまり知らない人は警戒しますが、
少し親しくなると無警戒になります。
それなりに警戒する女性であれば、二人に旅館の裏庭に
連れて行かれることもなかったでしょう。
結美にはいろいろな意味で世話になりました。
結美がいなければ、最終的に違った結果になっていたかも知れません。
北川は地雷を踏んで自爆といったところでしょうか。
北川と直子はすでに離婚しています。
同じ日の午後、由紀絵の携帯電話が鳴った。
由紀絵の知らない番号だったがとりあえず出てみた。
「もしもし、由紀ちゃん？俺、北川だけど・・・」
電話から北川の声が聞こえてきた。
由紀絵は直ぐに電話を切った。
あの夜、あのときの北川の声が由紀絵の脳裏に蘇ってきた。
はははは、俺のがそんなに気持ちいいか・・・
ははは、これからは俺がいつでも気持ちよくさせてやるぞ・・・
お前の一番奥深くでぶちまけてやる。子宮の中に直接出してやるぞ・・・
由紀絵、俺の精子を受け取れ・・・
由紀絵の電話を持つ手が震えていた。
暫くして再び携帯電話が鳴った。
さっきと同じ番号だった。
由紀絵は、電話に出ることなく電源を切った。
そして、両手の掌で耳を塞いだ。
彼女の目には涙が溢れていた。
実はこの日から１週間の間に、
何があったかほとんど覚えていません。
というか、特に何もなかったと言った方がいいでしょうか。
子どもの前では平常を装い、妻と二人きりになると何も会話がなく、
妻は暗い顔をしてうつむいている、
そんな毎日だったと思います。
私自身にも進展も全くなかったと思います。
そして、１週間後に結美から私に連絡がありました。
ちなみに、妻と結美は、この１週間の間に
連絡を取り始めていたそうです
どんな話をしたか、結美に聞いても「女同士の秘密の話」
と言って、教えてもらえませんでした。
もちろん、妻に聞くわけにもいきません。
私が結美と連絡を取り合っていることは、妻には内緒ですから…
なので、妻と結美の話の内容はわかりませんが、
結美が妻を励ましたり、妻にアドバイスをしたりしていたと考えています。
それから一週間後、すなわち旅行での出来事から九日後、
塚原に結美から「会って話がしたい」と電話があった。
この一週間、由紀絵は、子どもの前ではいつも通り振る舞っていたが、
それ以外のときは相変わらず暗い顔をしていた。
塚原に話しかけることもなかった。
一週間たっても、由紀絵から塚原に生理の報告はなかった。
由紀絵は不安で仕方ないのだろうが、
彼女を心配する義理は今の自分にはない。
今は結果を待つだけだ。
由紀絵にとっては審判と言っていいだろう。
だが、由紀絵の表情を見るとやはり夜一人にはしておけない。
そう思った塚原は、「夜会うのは難しいので、明後日なら会社を
早退できそうだから、日中なら会える」と返事をした。
結美も「息子を義母に預けるから日中でも大丈夫」と答えた。
それで、明後日の午後３時に会う約束をした。
二日後、塚原は約束の場所には２時半に到着した。
結美はまだ来ていない。
・・・少し早すぎたか・・・。
場所は結美が指定した。
自宅からは随分離れたファミレスだった。
家族ぐるみの付き合いがあっても、夫以外の男性と二人きりで
会うのは、やはり近所の目が気になるのだろうか・・・。
そんなことを考えながらコーヒーを注文した直後、結美が店に入ってきた。
身なりを整えており、塚原の目には、普段着を着た彼女よりも
一層魅力的に映った。
結美は、アイスティーを注文した後、あれから由紀絵とはどうか、
と早速尋ねてきた。
由紀絵の生理がまだ来てない、とは言えない。
彼女の夫である桐谷の子どもを宿しているかもしれないからだ。
塚原が黙っていると、結美は、旅行から帰宅した日の夜に
桐谷を問い詰め、彼に旅行中の出来事を白状させた、と話した。
「離れ家でのことも全部白状させたの？」と、塚原は思わず聞き返した。
「全部かどうかはわからないけど、北川さんとのことも含めて正直に
話してくれたと思う。」
「・・・・・・」
「それで、主人には、二度と由紀ちゃんに手を出さないことを約束させたの。
もし手を出そうとしたら未遂でも即離婚するって言って・・・。」
その時に
私は自分の決心だけをかたった。
妻は多分妊娠していると思う、そうなった場合でも、
私は中絶に同意しない、勿論、生まれた子供は認知しない。
これは復讐ではなく、ただ、自分の手を汚したくないだけの
話しですとだけ、伝えた、
このお話しはこれで終わりです、
私のこの発言は結美さんにとっても衝撃だったに違いありません。
その旨を北川、桐谷にも伝えられました.。
さらに、妻の両親にも知れることとなりました。
慰謝料等の復讐をしていない私にとって、これが最大の復讐
だったのかもしれません、
結局、妻の両親に説得され、私は中絶に同意してしまいました、それから
数日後、わずかですが、慰謝料のつもりなんでしょうか、
桐谷、北川から私の預金口座、入金がありました。
今は以前のようにはいきませんが、再構築し、
それなりに生活を送っています。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
（完）
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