私の知らない妻、その44、壊れかけている絆が
私の知らない妻、その44、壊れかけている絆が
塔子のバッグから取り出されたケースに入った三枚のDVD。
これは、先程塔子から語られた、
悠莉子が澤田統括部長によって強要され続けている複数の相手に
よる変態プレイが記録された物なのでしょうか?
『これは‥ 塔子‥ さっき話していた証拠が映されたディスクなのか? 』
私の問い掛けに塔子は
『そうよ‥ ‥ 。
これは先週、悠莉子の所に私が出向いて受け取った物‥
先週の火曜日、マネージャー会議の準備作業の名目で澤田統括部長が
悠莉子の担当エリアに来ていたのは知っていたでしょ?
あの日の夜、悠莉子は澤田統括部長とお決まりの行動だったの‥
そしてその夜は澤田統括部長には二人の連れが居たのよ‥。
例の複数でのプレイの日だったようなの‥。 』
塔子の言葉に私は、先週末の土曜日に今回の疑惑のスタートとなった、
妻の寝室で見付けた洗濯ネットに入れられた、
あのエロチックなショーツのクロッチ部分に
強烈なまでに染み着いていた発情した牝の印しと、
男を狂わせる濃厚なフェロモン臭を思い出していました。
そして、その濃厚なフェロモン臭に混じる、覚えのある不可思議な匂いまでも‥
あの時に私は、
目の前の発情した牝の抜け殻のようにも感じられたこれらを、
一体いつ妻が身に着けていたのか思い返し、
その週の火曜日に行われた本部から澤田統括部長を
招いて行われたマネージャー会議の準備の後の食事会が
怪しいと感じた事を思い出していました。
あの夜‥火曜日の夜に妻が帰宅した折りの、
色白な顔を薄桃色に上気させ、
艶めかしい熱を帯びた瞳と[着替えて来るわ‥]と、
タイトスカートに包まれた引き締まったヒップを左右に
揺らしながら寝室に向かった後ろ姿‥。
あの匂い立つような色香の原因は、濃密な性行為の残り香だったのです。
しかしこの時の私は‥先週の火曜日の段階での私は、
そんな妻の変化に対し何一つ疑う所なども無かったのでした。
塔子は続けました。
『あの日の夜に悠莉子は、行為の後に、
兼ねてからの私との打ち合わせを実行する為に、
当日撮影したディスクを家に帰ってから見てみたいと精一杯の演技で
借り受け、澤田統括部長が自分の車の中に隠し
持っている悠莉子との性行為を撮影したディスクを
澤田統括部長に気付かれぬように二枚抜き出して持ち出したの‥
それをタビンクした物がこれなのよ。』
私はケースに入れられたディスクを手に取り、
あの土曜日にお気に入りのCDを探す為に妻悠莉子の
寝室に入った時の事が鮮明に思い出されたいました。
私のCDと共に妻の机に無造作に積まれていたあの三枚のディスク‥。
【あれがそうだったのだ!!】
『塔子‥お前、これを見たのか?‥ ‥ ‥ ‥ どうだった?‥』
塔子は私の問い掛けに、暫く無言で目を閉じたままでした。
それは塔子が、自身の瞼の裏に焼き付いた《おぞましくも、
刺激的な映像》の中身を再確認しているようにも思えたのです。
やがて、塔子は何かに苦悶でもするように眉間に深い皺を寄せ、
その長い睫毛で覆われた瞼をゆっくりと開くと同時に、
重々しく閉ざされていた口を開いたのです。
『見たわ‥ ‥見なくちゃならないでしょう?違う?‥』
再び黙り込んでしまった塔子。
この場を支配する痛みを伴うような張り詰めた空気が、
まだ見ぬこのディスクに内包された内容を物語っていました。
『これは日付けが刻印されている通り、
悠莉子が澤田統括部長と関係を持った初期の物、七ヶ月前の物、
そして先週に撮影された一番新しい物の三枚なの。
でもこれは‥悠莉子には悪いけれど‥‥
お兄ちゃんにも申し訳ないけれど‥
凄まじいまでの嫌悪感の後には理屈じゃない興奮が見ている人間に
残る物だわ‥』
予想外の塔子の言葉に困惑を隠せない私は思わず
『な‥ 何を‥ 何を言ってるんだよ塔子‥ ‥』
『お兄ちゃん‥ やっぱり私はお兄ちゃんは見ない方が良いと思う。
きっと‥苦しくなる‥
そしてこの中に映る悠莉子の姿に耐えられない‥ ‥
お兄ちゃんが、悠莉子に対して感じている壊れかけている絆が
決定的な物になってしまう。』
塔子の話に言葉を失った私は、
しばし呆然とケースに入れられたディスクを見詰め続けていたのです。
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