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開花する妻、その11、奥さんはあなたから逃げているんですよ?

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開花する妻、その11、奥さんはあなたから逃げているんですよ?

当時の私には、ことの発端が私にあったなど考えることもなく

妻からのその言葉を聞いて頭に浮かんだことは、

自分を棚においてすべてあの男のせいだと思えたのです。

妻と無言のまま店を出て二人して少し離れて歩き家へと帰りました。

重苦しい雰囲気のまま家に着くと、

いつもはどこかに出かけている事が多い子供達が

リビングで珍しく仲良くテレビを見ていました。

娘の方が「お帰り。あれ?どうしたの二人共暗い顔して」

と私達に言いました。

妻は「ちょっとパパと喧嘩しちゃった

」と舌を出して娘にそういい、

奥の洗面所へと向かいました。

息子が「とうさん。かあさんを泣かしちゃダメだよ!

大事にしないとそのうち熟年離婚されるよ」

と私に笑いながら言いました。

「そうだな」と一言しか息子に返せませんでした。

妻はだまって子供達が食べ終わった洗い物を

いつもと変わらぬように娘としていました。

娘と何やら楽しげに話しながら洗い物をしている妻の中には

私以外の男の存在があるのかと思うと、

いてもたってもいられなくなり、

私は自分の部屋へと行きました。

眠ることも出来ずに布団に入っていた私は、

子供達も妻も寝静まった頃に妻が寝ている寝室へと向かいました。

寝室に入ると今まで二人で寝ていたクイーンサイズのベットに妻は

一人寝ていました。

「寝たのか?」と妻に問いかけると、

しばらくして「ううん」と妻が答えました。

「ママ?一緒に寝てもいいか?」

と私が言うと妻は何も言わずに少しベットの端へと移動しました。

私は妻の横に入り、私に背を向けている妻を抱きしめようと後ろから

肩を抱こうと妻に触れた瞬間に妻は一瞬ビクッとなりました。

妻に「抱いてもいいか?」

と聞くと妻は無言で私に背を向けていた身体を

仰向けにし、目を閉じていました。

私は妻に覆い被さるように妻を抱きしめキスをしようとしました。

いつもなら妻も私の舌に自分の舌を絡めてくるのですが、

自分から絡めて来ることはありませんでした。

妻に愛撫をしても身体は一瞬ビクッとするものの声を

出すことはありません。

妻の下着の中に手を入れて妻の陰部に触れたときに、

私は妻の心の中を痛感しました。

いつもなら潤んでいるはずの妻の陰部は

潤んでいることはありませんでした。

何とも言えない孤独感と情けなさが私を襲い、

そのまま何も言えずに妻から離れベットから出ました。

「・・・パパ・・・ごめんなさい」

妻のその一言を聞いて寝室を後にしました。

自分の部屋に戻った私は、

妻があんなになってしまったのはあの男のせいだと

怒りがこみ上げてきました。

その日以来、妻とは家庭内別居と言うのでしょうか、

殆どしゃべることもなく私の家政婦さんみたいな妻でした。

そんな夫婦生活が続いていた頃、

出張先からの帰りに駅に着いて改札口を出て歩いていると、

私の前から見た顔が歩いて来ました。

一度しか見ていませんでしたが、

それは間違いなく忘れることの出来ない妻が

抱かれたその男でした。

私は睨みつけるように前から歩いて来るその男を見続けました。

そんな私を彼も気が付いたのか私を見て軽く会釈をしました。

その瞬間私は走りより、彼を気付いたときには殴っていました。

「おい!人の嫁さん弄んで楽しいか?」

彼は冷静な顔をして

「ここでは人も多いんで今からお時間ありますか?」

「何を涼しげな顔をして言っているんだ!! 

お前のせいで俺達夫婦はむちゃくちゃだ!」

「すみません・・・よろしければ少しお話を?」

「話なんてここですればいい! 

とにかくどうしてくれるんだ!!」

私は冷静さを失い、駅前で彼に怒鳴り散らしました。

男に連れて行かれるように駅前の公園まで行きました。

公園へ付くなり私はまた男を殴りつけました。

「殴られても仕方ないと思っています。

家庭のある女性を好きになったのは私ですから」

男は冷静そのもので私の目を見てそう言いました。

私は余計にその態度が腹立たしく思えてなりませんでした。

しかし相手が冷静であればあるほど自分の情けなさが

こみ上げて来ました。

それを感じた私は男に「あんたと話をすることなんかないから帰るよ」

と言うと男は「奥さんを攻めないで下さい。悪いのは私なんですから」

「当たり前だろ!人妻を誑かせたんだからな!」

「誑かせたりしていません。私は心から○○さんを好きです」

「よくもそんなことを旦那に言えるな!!」

「ご主人少し考えて見てください」

「考える?そんな事どうでもいい。

これ以上嫁に近寄るな!!解ったか!!」

「・・・・」

「二度と嫁に会うなよ!!」

私がそう言うと男は自身に満ち溢れ私にこう言いました。

「ご主人?今私が奥さんを支えなければ誰が

奥さんを支えるんですか?」

「は~?何を言っているんだ!!俺が支えるさ!」

「支えていますか?私にはそうは思えません。

奥さんはあなたから逃げているんですよ?」

「逃げている?」

「奥さんは一番信用して欲しいあなたに

攻められ続けてあなたから逃げたんですよ。

私は妻も子供もいません。だから真剣に○○さんを

あなたから奪いたいと必死です」

「何を一人でごちゃごちゃ言っているんだ!」

「今のあなたは○○さんには必要のない男ですよ」

その言葉を聞いて私は男を数発殴りその場を後にしました。

妻には必要のない男・・・

彼に冷静にそう言われ私は完敗だと痛感しました。

家に帰る気分にも成れずにその夜は酒を浴びるように呑みました。

その日から私と男との戦いが妻を余計に苦しめることになるとは

当時の私には、まったく解って

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