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妻への制裁、その2、妻が社長秘書に抜擢





妻は7何処へ、その2、妻が社長秘書に抜擢

それから、1年たった、ある日の休日、

私達が朝食を食べていると妻の会社の車が、

自宅前に停車しました。

降りて来たのは、初老の男です。

妻 「あっ、人事課長だ?何で来たのかな?」

私 「あれが人事課長か?さえないオヤジだな」

妻 「しっ、聞こえるわよ」

妻が玄関を開けて、人事課長を迎え入れます。

私は、部屋着のまま応接間で人事課長に初めて会います。

課長 「突然おじゃまして、失礼します。」

深々と頭を下げて菓子折りをだします。

私  「前もって連絡をして欲しかったですよ(苦笑い)、でご用件は?」

課長は名刺を出して、挨拶します。

そこには、△△工業 人事課長 山本と・・・。

何と、人事課長の字が、名前より大きくて、私は失笑を堪えるのに大変でした。

私も 礼儀として名刺を出します。

課長は名刺を見て、

課長 「流石に一流企業ですね、名刺がハイカラですね、

で、このプロジェクトリーダーって、係長のことですか?」

まあ、こういう輩は、人間の判断基準を肩書きで決めるタイプだろう。

私  「昔でいえば、課長ですね、で、ご用件は?」

妻が、お茶とコーヒーを持ってきます。

妻が来るのを待っていたかのように。

課長 「実は、今度、今の社長秘書が寿退社することになって

、社長からたっての希望で、奥さんを社長秘書になってもらいたく、

参上しました。」

妻  「えー、まったくの初耳です。

私には、荷が重すぎます。辞退させてください。」

課長 「そう言うと思って、ご主人と一緒の時におじゃましました。

ご主人、奥さんの和美さんは、本当に素晴らしい社員です。

仕事は完璧、同僚や後輩の人望は厚く、

上司からの信頼は抜群です。ぜひ、ご主人からもお願いしてください」

歯の浮くような、お世辞です。

私  「妻が嫌がることを、私からは言えませんよ、

それに、子供が出来たら会社辞める約束ですから」

課長 「奥さんは、嫌がっていませんよ、ただ、謙遜しているだけです。

仕事の量も、今の半分以下ですし、

給料は倍です。もちろん、奥様が御懐妊しましたら次の人に仕

事を引き継ぎ次第、お辞めになっても良いです。

退職金も役員待遇で支給します。」

と、言って書類をテーブルの上に出します。

妻  「急なことですから、即答はできません。

私は、今の仕事に満足しています。」

妻は少し困惑気味です。仕方がないので私から助け船を出します。

私  「夫婦間で2・3日、相談させてください。」

課長は、こんなにも好条件なのに、なんでだって顔をしています。

課長 「分りました、では、3日後に、直接私に連絡してください。

良い返事を待っています。」と言って帰って行きました。
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