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同級生、その1、初めての人

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同級生、その1、初めての人

はじめまして、39歳の阿智と申します。

こちらのサイトにも同窓会が舞台のお話しが幾つかございましたが、

私も先日、妻と一緒に参加した高校の同窓会にて人生初の体験をしましたので、

その話をさせていだだきます。

私と妻ミユキは高校の同級生です。

と言いましても付き合いだしたのは高校卒業後ですし、

在学中はクラスも違った為、当時はほとんど接点はありませんでした。

そんな私達がこのGWに行われた同窓会に夫婦揃って参加したのは何の画策もなく、

ただ旧友達に会いたいという思いだけでした。

生まれ故郷から程近い温泉地。

そこの巨大温泉ホテルが同窓会会場でしたから私達夫婦も旅行を兼ねて

同ホテルを宿泊先にしました。

早めにチェックインし、軽く温泉に浸かってから、

着替えて夫婦揃って大宴会場へ。

そこはクラスごとに座卓が分けられていて、

A組の私とE組のミユキはかなり離れてしまいました。

しかし、それも懐かしい顔ぶれを前に

すぐに気にならなくなってしまいました。

でも今思えば離れながらもミユキの様子に

気を配っていればあんな事にはならなかったのかもしれません。

皆いい感じに酔いはじめて席を移る者が多くなり、

私の左右にいた悪友達がかつてのマドンナに突撃に行った時、

空いた隣席にB組席からひとりの小柄な女性が移ってきました。

「阿智君、ご無沙汰チャン!。あんまり変わらないね」

ショートカットの茶髪にクリクリした目。

明るい声のその女性は私が2年~卒業時まで

付き合っていた隣クラスの真澄でした。

私が童貞を捨てた相手でもあり、

声を掛けられてちょっと照れてしまいました。

「何?何?、照れてんの?。阿智君のそういうカワイイとこが好き!」

と私をからかいながら屈託なく笑う真澄。

からかっていると解りながらも「好き」という言葉には

少し動揺してしまいました。

するとそれを見透かした真澄が続けて

「私、今でも阿智君のこと好きだよ」

「え?!・・・・・・・・・」

「って、驚いた?。ジョ~ダン!ジョ~ダン!。

知ってるよ、ミユキちゃんと結婚したんでしょ。」

ふとE組席の方を見ると、ミユキはこちらに背を向け、

当時の女友達に囲まれて談笑中でした。

夫婦で参加したからか、当初は全くいかがわしい気持ちなど

無かったのですが、

不思議なもので酒を交わしながら真澄と話しに夢中になるうちに

昔の彼氏彼女時代の様な妙な気持ちへと自分が変化していきました。

「ねぇ、ちょっと抜け出さない?。

さっき見たんだけど4階からルーフガーデンに出れるの。そこ行こうよ」

真澄のその言葉を受けて、わざと別個に宴会場を出ました。

抜け出し際にミユキを見ると左右が男性に変わっていましたが、

かつてのクラスメイトだからと特に気にもせず場を後にしました。

ドキドキしながら館内図を頼りにルーフガーデンに出ると、

夕暮れ前のベンチに真澄が座っていました。

私が近付くと

「ささっ、ここ、ここ」

とベンチの隣に座る事を促します。正直この段階でドキドキでした。

今まで浮気もした事ありませんし、

結婚後は他の女性とこんなシチュエーションに

なる事も無かったのでそのドキドキはかなりのものでした。

ドキドキしながら40cmほどの間を空けてベンチに座ると

「何?何?、そのミョーな距離」

屈託なく笑いながら真澄が肩どおしが触れる位置まで

移動してきました。

「懐かしいね、こうやって並んで座るの。

○○公園で初めてキスした時もこんな夕暮れだったね」

真澄のその言葉以後に何故だか2人とも暫く無言になり、

手入れされた木々を黙って眺めていました。

その沈黙がドキドキを煽ります。

ドキドキがソワソワに変わりはじめた頃、

真澄が落ち着いた声を発しました。

「阿智君とミユキちゃんは夫婦仲いいの?。

高校の頃はカラミ無かったからどうなのかなって」

「ああ、うん。仲はいいよ。子供はいないけど」

「ふ~ん。ミユキちゃん可愛いもんね。愛してるんだ?」

ドキドキソワソワしていたのが突然ミユキの事を聞かれ、

私はドギマギしてしまいました。

「ああ、うん、、、愛してる、、、」

「そっか。じゃあ浮気とかした事無いんだ?」

「あ、ああ、うん、、、無い、、、」

「ふ~ん、そうなんだ。ミユキちゃんも浮気とか無かったの?」

この言葉がちょっとした衝撃でした。

今の今まで私自身も浮気が無かったから当たり前の様に

ミユキの浮気なんて考えた事もありませんでしたから。

想像もしていなかった事を突然尋ねられ、

私はドギマギから少し混乱が起きはじめました。

「無いよ、ミユキに限って、、、うん、無い」

「そっか、信じてるんだ。ミユキちゃんの事」

「、、、うん」

「ミユキちゃんも阿智君の事信じてるのかな。

まさかこんな事してるなんて思ってもないのかな?」

そう言った途端、真澄は私の首に両腕を回してきて、

そのままキスをしてきました。

ファーストキスも確かこんな感じで真澄に奪われた気がします。

今回のキスがその時と違うのはのっけからディープなキスだった事と、

私も真澄も今はそれぞれにパートナーのいる既婚者だという事。

ドキドキ、ソワソワ、ドギマギな上に混乱中の私は

払いのける事もせず真澄のディープキスを受け入れていました。

何か言葉に出来ない妙な気持ちが身体を駆け回りはじめ、

いけないという気持ちが逆にその妙な気持ちに拍車を掛けていました。

私にとって初めての浮気。



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