交換デート、その4、口説かれちゃいました。
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交換デート、その4、口説かれちゃいました。
女性陣に時間厳守の念を押されたが、
予定の時刻には何とか間に合うだろう。
もし、由紀絵以外だったら、元も子もない。
無駄な時間を過ごすだけだ。
ただ、そのときは、明日、由紀絵を口説く作戦を
立てようと考えていた。
由紀絵にキスをしながら彼女の豊満な胸を揉みほぐす、
由紀絵の股間を大きく開いて自分のものを突きたてる、
由紀絵の背後から激しく突きたてながら、彼女の胸を揉みしだく、
由紀絵をきつく抱きしめながら彼女の中で果てる。
交換デートが決まってから、北川はそんなことばかりを妄想し、
マスターベーションをしていた。
北川は玄関前に車を止め、前を向いたまま目を閉じて待っていた。
祈るような気持ちだった。
助手席の窓を叩く音が聞こえた。
静かに目を開け、助手席の窓を見た。
そこには、微笑みながら車の中を覗いている由紀絵の顔があった。
由紀絵は、クジを引いた後ロビーの椅子に座り、
少しそわそわしながら出発時刻が来るのを待っていた。
クジに書かれた戻る時刻を見ると、罰ゲームではなかったので、
デートは決定だった。
・・・相手は、桐谷さん、それとも北川さん。
それにしてもデートなんて夫以外したことないのに
どうなるんだろう・・・。
由紀絵は少し不安だった。
由紀絵が通っていた高校は共学だったが、
その頃彼女は男子が少し苦手で、女子だけで行動することがほとんどだった。
大学は女子大だったが、所属していたサークルで他大の
男子学生と交流を持つことはあった。
ただ、彼らに言い寄られても、
ごめんなさいと言って直ぐに避けてしまった。
そんな大学生活を送っていたが、大学４年のときに、
由紀絵は友人から、その彼氏の友人である塚原を紹介された。
塚原はすでに働いており、平日は仕事で忙しそうであったが、
休日には彼から映画などに何度か誘われた。
そして、塚原と知り合ってから１カ月半後、
彼と付き合うようになった。
それまで男性と付き合ったことがなかった由紀絵は、
塚原とキスするまでに半年以上かかった。
彼と初めてセックスしたのは、更にその１年後、
塚原と近い将来結婚するんだろうな、と思い始めていた頃だった。
由紀絵には、結婚するまで処女を守るというそこまでの
考えはなかったが、
まだ結婚するかどうかわからない人と安易に
セックスすることには抵抗があった。
そして、初めて結ばれた日から１年半後に、
由紀絵と塚原は結婚した。
由紀絵は、結美と直子に、
夫以外の男性と付き合ったことがないことを
話したことがある。
そのときに、二人からはとても羨ましがられた。
「由紀ちゃんにとっては、ご主人が一生に一人だけの
男性ってことになるのよね。
そういうの何だか憧れちゃうなぁ。」
結美からそう言われ、
直子からも「私も同じ。憧れちゃう。」と言われた。
自分ではそれが普通だと思っていたが、
二人からそう言われると、少し優越感を覚えた。
由紀絵は、桐谷、北川について、これまでのことを振り返っていた。
結美から桐谷を紹介されたとき、由紀絵はかっこいい人だなと思った。
桐谷は、裕福な家庭に育ち、背が高くてスマートで、
顔も美男子の部類に入るだろう。
美人の結美には、やはりこういう人がお似合いだと感じた。
だが、由紀絵は、自分が桐谷に少し憧れていることにも
気がついていた。
・・・こんな人と結婚したら、すごく幸せなんだろうな・・・。
そんな思いが由紀絵にはあったが、
こんな私と結婚してくれて、
今も大事にしてくれる夫のことを考えると、
そのような思いを抱いてしまう自分が恥ずかしかった。
でも、もしデートの相手が桐谷だったらと思うと、
少しドキドキした。
直子から北川を紹介されたとき、由紀絵は少し驚いた。
由紀絵にとって、北川の最初の印象は、
背が低く、毛深くて小太りで、
顔立ちも自分の好みではなく、どちらかと言えば嫌いな
タイプの男性だったからだ。
そんな北川と可愛い顔立ちの直子が夫婦であることが、
由紀絵には俄かに信じられなかった。
だが、家族ぐるみで付き合ううちに、北川は子ども好きで、
自分の息子の面倒も良く見てくれていたので、
由紀絵の最初の印象は次第に薄れていった。
しかも、北川は、何かにつけて自分のことを褒めてくれるので、
今では彼に好感を持つようになっていた。
由紀絵はそんなことを思い出していたが、
時計を見ると、クジに書かれた出発時刻が迫っていた。
由紀絵は椅子から立ち上がり、
まだロビーに残っていた結美に
「じゃぁ、結美さん、行ってくるね。」
と声を掛けてから、一人玄関に向かった。
・・・さぁ、誰だ・・・。
玄関を出ると北川の車が止まっていた。
車の窓から中を覗くと、北川は前を向いて目を瞑っていた。
・・・まさか寝てるんじゃないでしょうね・・・。
そう思うと少し緊張がほぐれて笑みがこぼれた。
そして、北川の車の窓ガラスを静かに叩いた。
北川は由紀絵の顔を見ると、
心の中で「よっしゃぁー」と叫んだ。
だが、未だデートか罰ゲームかはわからない。
由紀絵に車に乗るよう合図すると、彼女はドアを開け、
「よろしくお願いします。」
と言いながら、車に乗り助手席に座った。
北川さん、目を瞑ってたでしょ。寝てたんじゃないんですか？」
「違うよ、相手が由紀ちゃんになることを祈ってたんだよ。
ところでデート、それとも罰ゲーム？」
「ジャーン、デートで～す。」
由紀絵は、そう言って自分が引いたクジを北川に見せた。
北川は心の中で再び「よっしゃぁー」と叫んだ。
「じゃぁ、とりあえず出発だ。」
そう言って、北川は車のエンジンをかけ、発車した。
塚原は、北川の車が駐車場から出ていった後、
暫くして玄関前に向かった。
先に桐谷、北川が出発していたので、自分が最後だということは
わかっていた。
罰ゲームのことが頭を過り、少し嫌な予感はしたが、
出発が最後だから罰ゲームということもないだろうと、
自分の都合のいいように考えていた
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