2ntブログ

私の知らない妻、その41、ねぇ‥ お兄ちゃんはどこまで知ってるの?





私の知らない妻、その41、ねぇ‥ お兄ちゃんはどこまで知ってるの?

やはり妻は変わってしまっていました。

たわいのない話ですが、以前の妻悠莉子ならば、

あのようにふくらはぎを指先でなぞられたならば、

くすぐったがりだった妻は跳び上がって身をよじらせ、

笑い転げていた事でしょう。

しかし明らかに妻はその行為に感じていました。

そして濡れていたと思われる証であるあの鼻腔を

刺激したヴァギナから漂って来た媚臭。

妻は、あの鬼畜のような澤田統括部長によって私の知らない色に

染め上げられていたのです。

私は明日、昼前に所用があるので出掛ける事を妻悠莉子に告げ、

やはり体調が思わしくないと、先に休ませて貰う旨を

伝え寝室に向かいました。

私は無機質に感じられるベットの中で、

明日会う従姉妹の塔子から妻悠莉子のどんな話が聞けるのだろう?

と考えていました。

期待と不安が交差する気持ちのまま、

私はいつの間にか眠ってしまっていました。

翌日、私は塔子の実家を尋ねました。

笑顔で私を迎えてくれた塔子は、誰が見ても20代後半に見える事でしょう。

相変わらず塔子は綺麗でその類い稀な艶っぽさを増していました。

傍らの叔母さんが『〇〇ちゃん、塔子に言ってやって‥

早く彼氏を作って結婚して私を安心させてやれって‥ 』

私は『大丈夫だよ叔母さん、塔子はモテ過ぎるから相手を

選んでいるだけだよ』と答え、チラッと塔子を見て笑いました。

塔子は更なるとばっちりは御免とばかりに

『お母さん、もういいでしょ‥ほら、隣のおばさんと約束があるんでしょ?

早く行って来なさいよ‥』

と叔母さんを促しました。

その様子を見て、首を竦めるようにしておどけた叔母さんは

『ゆっくりして行ってね‥ 4時頃には戻るから』

と出掛けて行きました。

『さて‥ 塔子‥ この間の電話での調子では、

お前色々と知っているんじゃないのか?‥悠莉子の事をさ‥ 』

塔子はその眼ヂカラの塊のような瞳を私に向けたまま、

私の問い掛けを聞いていました。

どのぐらいの沈黙が流れた事でしょう。

黙り込む塔子に苛立ちを隠しきれないでいた私は、

『なぁ‥どうなんだ? もう俺は分かってしまっているんだよ‥ 』

と再度、問い詰めました。

塔子は自分のバッグから煙草を取り出して、

火を着け、細い煙りを吐き出しました。

やがて重かった口を塔子は開きました。

『ねぇ‥ お兄ちゃんはどこまで知ってるの? 』




関連記事

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

瀬戸 龍一

Author:瀬戸 龍一
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
カレンダー
04 | 2024/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
宜しくお願いします。
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR