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彼氏がいる妻、その7、二人の罪はより重くなっただけなんです





彼氏がいる妻、その7、二人の罪はより重くなっただけなんです

相変わらず、送受信メールは消している妻ですが、

送受信したメルアドの履歴までは消していません。

ですが、頻度が高く、

新しいメルアドでやりとりしている相手がいました。

間違いなく、有田です。

私からのメール連絡を拒絶するために、

二人して私を騙したということです。

メルアドを変更していた時の

『意味はないけど、かわいらしいのにしたかったから』と言った

妻の言葉とその表情が思い出されました。

ここで有田の新しいメールアドレスを把握することはできたのですが、

それをそのまま私が使うことはできませんでした。

なぜなら、有田にしても、妻にしても新しいメールアドレスを

誰に教えているのか分かりません。

それなのに私が有田の新しいメルアドを知っているとなれば、

『私が誰であるか』をこの二人が

だんだんと絞り込めてくることが可能となるからです。

その絞りこみの中に『私(夫)』

が含まれることは間違いないでしょう。

そして『私』という特定者を見出してしまえば、

確定はできなくても、高い確率でクロと疑われ

てしまうことは想像できます。

ですが、そんなことは想定済みです。

以前にも増して、二人の罪はより重くなっただけなんです。

この時点での二人は、

『私』という存在が社内の人間であると感じていたでしょうから、

そろって同じ日に休みを取って会うというわけに

もいかなかったでしょう。

二人が会う時間帯というものが限られてくるのは

不倫の摂理としてやむをえません。

数週間も経たないうちに、

妻から『少し遅くなるから』という変わり映えのないメールを受け

取った私がラブホを少し回ってみると、

すぐに有田の車を見つけることができました。

二人が楽しく逢瀬をする場所も前回私が

見つけた場所から変わっていましたが、遠くに行けるはずもなく、

会社から自宅までの途中にある古いラブホに移っただけでした。

この時には妻の車がどこに有るか分かりませんでしたし、

別に探しもしませんでした。

その古いラブホの駐車場に停まっている黒いハッチバックを

冷めた目で見つめながら、この時を

狙って車に積みっぱなしにしてあるデジカメを使って

日時付きで鮮明に画像で写しておきました。

それから私はラブホの駐車場を出て、

少し離れた場所から携帯電話で電話をかけたのです。

電話の先は有田の自宅。。。。

今どきですが、電話帳に番号が掲載されていたから事前に控えていました。

「はい、もしもし」

年齢的に有田の妻の声だと分かりました。

「有田さんのお宅ですか? △△△(社名)の役所と申します」

有田と妻が働いている会社の社員になり済まし、

私は役所と名乗りました。

「はい いつもお世話になってます 

あ、まだ主人は帰ってきていませんが 」

「えっ そうなんですか? 携帯に何度か電話しているんですが、

電話に出ないんです。

えーーと、いま18時半ですよね。

今日は定時で帰ったから、ご自宅に戻っていることを期待して

お電話したのですが、、、、ご連絡とれないですかね? 

至急確認したいことがあって、、、 

連絡が取れるか自宅へ戻って来られたら、

会社の方へ至急ご連絡いただきたいとお伝え願えますか?」

「あっ はい すみません 

失礼ですけどもう一度お名前教えていただけますか」

「はい 役所 と申します。 

俳優の役所広○さんの名字と同じ、役所です」

こうして電話を切りました。





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