あなたならどうする、その11、卑劣な男
なたならどうする、その11、卑劣な男
横山「ここまでの話しを聞いて、敏文さんは何か言いたい事が有りますか?」
寺岡「この女の言っている事はデタラメで、
さっき俺が言った事が本当だ」と、
麻美さんに向かって言った。
横山「里奈さんはデタラメを言ったのですか?」
妻「・・・・・」下を向いたまま何も答えなかった。
横山「それでは、先ほど敏文さんが言った事を里奈さんにも
聞いてもらいましょう」
そう言うとメモを読み始めた。
数年前に少しの期間、
付き合っていたが別れた事を根に持っているみたいで困っている。
今回も急に連絡をして来て「結婚祝いぐらいしてくれても良いんじゃない」
と何度も言ってきた。
あまりしつこいので一度だけ会う事にしたらホテルに誘われ、
断ったら「奥さんに会わせろ」と言われた。
一回行けば、もう連絡しないと言うのでホテルに行った。
その後は、「奥さんに言う」と脅されて、
とにかく麻美に知られるのが怖くてズルズルと関係を続けてしまった。
旅行も断り切れずに、嫌々行ったし、とにかく従うしかなかった。
横山「敏文さんは、こう言っていますよ」と妻を見た。
妻「・・・・・」言葉が出ない妻は益々体を硬直させ、
下を向き肩が震えていた。
横山「会った回数も、敏文さんは3~4回ぐらいと言っています。
どちらが本当なのでしょうかね」
寺岡「俺は嘘は言ってない」
横山「会うのは里奈さんの都合に合わせていたわけですね」
寺岡「頻繁に連絡があり誘われて、
その都度かなり断ったが脅されて仕方なく会ってしまったんだ」
横山「かなり話に食い違いがありますね。前に付き合っていた期間なのですが、
どのくらいですか里奈さん」
妻「・・・・・3年ぐらいです」
横山「敏文さんは5カ月ぐらいで、
その後はストーカーみたいだったと言っています」
妻「・・・・・」
横山「敏文さん、最初に言いましたよね。全ての証拠を持っていると」
麻美「全て分かっているのよ!」
寺岡の体がビクッと動き上目遣いで麻美さんと三井さんを見た。
三井「女々しい男だな~。そう思うだろ堀切君」
私「色男が台無しだねぇ。まぁ色男というよりはエロ男だけどね」
三井「わっはっはっは~、上手い事言うね~」
横山「敏文さんの言っている事は全て嘘だと、
ここに居る皆さんが知っていますよ」
血の気が引いた顔、そして虚ろな目で何も言えない寺岡だった。
横山「先ほど見せた画像は、証拠のほんの一部で、
その他2人の会話なども記録していますので、
今回の詳細は全て分かっています」
寺岡はソファーから降り麻美さんに向かって土下座をした。
寺岡「すまなかった!本当に申し訳ありませんでした」
今度は三井さんに向かって土下座をして、
寺岡「許して下さい、お願いします」
麻美「あなたの言っている事は、全部嘘じゃない!」
寺岡「誤解なんだ、信じてくれ」
麻美「なにが誤解なの!」
寺岡「いや、あぁー・・・」
麻美「どういうつもりで、こんな事したのよ!」
寺岡「ほんの遊びのつもりだったんだ。
ただ都合が良かっただけで、
こんな馬鹿な女の事なんて何とも思ってない。
本当に愛しているのは麻美だけなんだ」
麻美「旅行まで行ったんでしょ!」
寺岡「それは本当に、この女が強引に行こうと誘うので断れなかったんだ」
麻美「嬉しそうに、プレゼントされたシャツを着てたくせして」
寺岡「仕方なくだよ、その証拠にシャツは帰りに捨てたんだから」
この会話の最中、妻が嗚咽を漏らし始めた。
重苦しい雰囲気の中、冷静な声で
横山「それでは本題に入りましょう」
そう言うと、妻と寺岡の前にそれぞれ用紙を出した。
横山「それは堀切さんから頼まれた誓約書です。
良く読んで頂いて署名捺印を頂けますか」
そこには“親密な関係にあったことを認める事、
今後いかなる理由があろうとも一切の関り、接触を絶つ事”などが
難しく長々と書かれてあった。
2人は読み終わると住所を書き、署名そして拇印をした。
横山「堀切さんは敏文さんに対して金銭をもって示談にすると言っていますが、
いかがですか?」
寺岡「はい、それはもちろん」
横山「通常200万円~300万円ですが、今回500万円を請求します」
三井「直ぐに払うに決まっているよな」
寺岡「は、はい」
横山「麻美さんも里奈さんに500万円で示談としたい考えですが、
いかがですか?」
泣き続けている妻も「はい、お願いします」と、
なんとか声に出した。
横山「それでは、示談書は早急に作成しておきます」
床に正座をしている寺岡、今なお嗚咽を漏らしている妻、
私はそんな2人を見て大きくため息をついた。
横山「堀切さん、後は奥さんとお2人で今後の事を話し合ってみて下さい」
私「分かりました」
そう言うと私は、ビデオカメラをオフにして片付け始めた。
私「最後にエロ男に言いたいんだけど、
俺には何か言う気はねぇのかなぁ」
寺岡「えっあっ、この度は申し訳ありませんでした」
私に向かって土下座をした。
それを見ていた妻が慌ててソファーから降り土下座をして、
麻美さんと三井さんそして奥さんに何度も頭を下げた。
妻「申し訳ありませんでした。お許し下さい・・・」
そして声を出して号泣した。
横山「近日中に連絡しますのでお待ち下さい」
私「了解しました、今日は有り難うございました。失礼します」
麻美さん三井さん奥さんにも会釈をしました。
私「お前はどうするんだ?そのままエロ男の側に居るつもりか?」
妻は力無く立ち上がり、皆さんに頭を下げると歩き出した。
とぼとぼと私に付いてくる妻を、振り返る事もなく家まで帰った。
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