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私の知らない妻、その58、三枚目のDVD

ボディのレースと、幾何学模様のレッグが絶妙なコントラスト。
肩からバストへは何本もの蜘蛛の糸をはわせたかのよう。
フロントを貫くダイヤメッシュが、凛としたエロスを演出します。
クロッチ部分にはホール。実用性も兼ね備えています。
バスト:79~87cm
スパイダーウェブボディストッキング ブルー
スパイダーウェブボディストッキング ブルー


私の知らない妻、その58、三枚目のDVD

この夜、私と妻悠莉子は互いに、

互いをさりげなく気遣うように時間を過ごしました。

出来る事ならば、この場面で妻悠莉子に澤田統括部長との事を問い質し、

お互いが腹を割って思いの丈を

吐き出せればどんなに楽になれる事でしょう。

時折見せる何か言いたげな妻悠莉子の淋しげな表情が、

よりその思いを強くさせました。

今この場面では何も出来ない、何も悠莉子にしてやる事が出来ない‥

そんな状況の中で飲まずにいられない私は、

自宅では滅多に口にしないウイスキーを飲み出していました…。

私は私で酒の力を借りながら複雑な感情を

抱いている事を悟られまいとし、

妻悠莉子は妻悠莉子で自分の中の深い傷を‥

そして現在進行形の性の奴隷のように過ごさざる得ない悲しい時間が

ある事を封じ込め、何事も無いように痛い程に明るく振る舞って‥ 。

私は、妻悠莉子と過ごすこのリビングを

支配する薄氷のような‥下手に触れれば溶けて無くなりそうな‥

必要以上に何かをすれば粉々になってしまいそうな…

そんな空気が辛くて、いつしかウイスキーを重ねる盃の

ピッチが上がってしまい、

21時を回る頃には不覚にもしたたかに酔ってしまっていました。

本来ならば、塔子から受け取った3枚目のDVDを

見なくてはならなかった筈のに‥。

ここ数日の疲労と、したたかに回り始めた酔いで

ソファーでうたた寝を始めてしまった私を妻悠莉子が

『あなた‥ あなた‥こんな所で寝てはいけないわ‥

この間の私と一緒じゃないの。

お布団も今日は干してフカフカにしてあるんだから寝室で寝てね‥

さぁ‥起きて‥ 』と、私の体を優しく揺らしながら促しました。

妻悠莉子に手を引かれるようにして寝室に連れて行かれた私は、

これだけはリビングに置き忘れては大変と左脇に

抱えるようにして持っていたDVDの入ったショルダーバックを

机の上に放り、着ていた服を面倒臭いとばかりに床に脱ぎ散らかし、

倒れ込むようにしてベッドに入りました。

『あなた… パジャマを着なくては風邪を引いてしまうわよ…

あなた… 本当に困った人ね… 』

酔いと睡魔で意識が朦朧と仕掛かった私に、

干してフカフカになった掛け布団を掛ける妻悠莉子。

【フワ‥ッ‥ふわり‥ッ‥】

妻悠莉子の体から伝わる甘酸っぱい不可思議な匂い‥‥

《ふっ‥本当に女臭くなったんだな‥日常でも香るまでになったとはな‥》

私は改めて妻の変化を感じていたのです。

私は酔いと布団の心地良さでいつの間にか

深い眠りに就いてしまっていました。

どれぐらい眠っていたのでしょうか?

窓を覆うカーテンの隙間からは蒼い空の様子が窺えました。

枕元の時計を見ると時刻は【5:00】を指していました。

私は目覚めの煙草を燻らせ徐々に全身が覚醒して行くのを

感じがら昨日の塔子の実家で見た二枚のDVDに

思いを馳せていました。

拒絶する悠莉子が澤田統括部長の横暴さと巨根にに翻弄され、

唇を噛み、歯を食いしばりながら耐えていた湧き上がる快感に

自我を破壊される寸前に現れるもう一人の悠莉子。

それは淫靡で挑発的な発情した牝としての妻悠莉子‥

例えそれが精神的疾患から為された姿だとしても、

私にはノートパソコンのモニターに

映るその見事なまでの色香を纏った性に

貪欲な妻悠莉子の姿は衝撃的かつ残酷なものでした。

そして思い出せば思い出す程に、

体を巡る血が逆流する程の怒りを覚える、

澤田統括部長の妻悠莉子に対する極悪非道な所業の数々‥。

私には昨日見た二枚目のDVDの中で妙に気になる事がありました。

行為の最中での、まるで何かに取り憑かれているのか?

とまで感じられた、あの澤田統括部長の異様なまでの

ハイテンションな言動と行動‥ 。

私は思い過ごしであって欲しいと思いながらも、

澤田統括部長が非合法な薬物に手を染めているのでは?

と危惧していたのでした。

まさか‥それは妻悠莉子にまで‥

私の考え過ぎであって欲しい‥。

早朝から押し寄せる不安の影‥。

私自身も、この10日間にも及ぶ一連の流れに精

神的に追い詰められているのかも知れません。

全てが悪いように悪いように感じられてしまう私でした。

この時、私は強風が吹きつける高層ビルの屋上の縁に

一人立たされているような寒々しい恐怖と不安を感じ、

一体あの三枚目のDVDにはどんな悍ましい事が記録されているのかが

気になって仕方ない‥そんな衝動に駈られていました。

ベッドから跳ね起きるようにした私は、

机の上に置いたショルダーバックから塔子から

手渡された三枚目のDVDを取り出していました。

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