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私の屈辱、その11、目には見えない首輪







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私の屈辱、その11、目には見えない首輪

そして、そんな獣達による支配を熟れた肉体望

んでいるのかもしれません。

少なくとも私の妻は、平凡な主婦から被虐の悦びを

肉体に刻み付けられた雌として、飼い馴らされているのです。

目には見えない首輪に繋がれた状態で。

例えそれが、力付くで犯された性交であったとしても、男の精液を

注ぎ込まれた身体は抗う事の出来ない愉悦に緊縛されてしまうのでしょう。

豊満な乳房を揺らし、大きく張った尻を振り、自らの矜持を

捨て身を捧げるしかないのです。

安らかな寝顔の裏に潜む淫女の素顔を垣間見たような気分でした…。
 
そんな時。私は、一際鋭い視線で妻を見ている男の存在に気が付きました。

島崎です。私達夫婦より前方のシートに腰を掛けていた島崎が、不自然に

身体の向きを変え眠る祐子を視線の先に捉えていました。

そして、私に対しても憎しみのこもった瞳を向けて来ます。

無理矢理に自分の所有物とした祐子が、

私という伴侶の隣にいる事が気に入らないのか、

それとも相原の痴 漢行為に身を委ねた妻の行動に

憤りを感じているのか…。

いずれにしても、理不尽な独占欲の強い男のようです。

(あんな若造に祐子は…)
 
今更ながら、私の中で妻に対する支配欲が大きくなって

行くのを感じました。

それは、島崎に対する只の対抗心だったのかもしれません…。

私の不安や焦りを他所に、電車は目的の駅に到着しました。

古びた町並みの広がる温泉地で、迎えのバスに乗り換え辿り

着いた宿も歴史のありそうな佇まいの旅館です。

それなりに宿泊客はいるようで、ロビーに足を踏み入れると

賑わってはいるようでした。

私と妻は、当然のように同じ部屋を割り当てられておりフロントで

ルームキーを受け取ると足早に3Fへ向かいます。

部屋の窓からは眼下に海が広がっているのが臨め、景色は最高でした。

良いところね」
 
と、祐子は素直に喜んでいます。しかし私は、電車内での出来事が

頭から離れず、悶々とした気持ちを抱えたままでした。

「祐子…」

「なあに、どうしたの?」
 
笑顔を向ける妻に何も言えなくなる、私。今の妻は、私の知っている…

私の愛して止まない以前の祐子そのままでした。髪色と化粧が変わり、

服装も派手にはなりましたがそれによって若返り、女としての魅力は

格段に深まったくらいです。

私は気が付くと妻を抱き寄せ、唇を重ねていました。

「ん…むっ…な、何…?」

私の衝動に駆られた行為に、妻は驚いているようでした。

「・・・・・」
 
私は、無言のまま唇を押し付け祐子のスカートの

中へ手を入れます。

そして、迷わず指を妻の蜜壺へ這わせました。

下着越しに伝わる、膣口の温もりと湿り気が私の理性を

崩壊させます。

妻は、既に濡れていました。電車の中で相原に散々嬲られ、

身体が敏感になっているのでしょう。

「あっ…んっ…駄目…貴方…あんっ…待って…」

「濡れているね…どうしたんだい?」

「あっ…貴方が…触るから…あぅん…」

「違うね…私が触れる前から君のアソコは

洪水のように溢れていたよ…」

「あぁ…そんな事…んっ…ない…」

「嘘だ…あの相原という男に触られて感じていたんだろう…?」

「くっ…あぁん…き、気が付いて…いたの…?」

「当たり前さ…」

「あ…あの人は…あぁん…いつも…誰にでもそうなのよ…。

んぐぅ…今日だって…少し脚を…あぁ…触られただけ…」

 この期に及んで、そんな嘘を言います。

「本当はこんな風に、君のいやらしい部分を

触られていたんじゃないのかい… ?」

「違うわ…お願い…もう赦して…」

私の股間は、もうはち切れんばかりに怒張しています。

(コンコン)
 
私が更に妻を追い込もうとすると、突然ドアを

ノックする音が聞こえました。

慌てて身体を離す、私と妻。

「失礼します」
 
部屋に入って来たのは、旅館の仲居さんでした…。

挨拶を終えて仲居さんが退出した後も、気まずい雰囲気の

漂う部屋の中で私と妻は会話もなくそれぞれの荷物を片付けていました。

冷静になって考えてみると、私の行動はあまりに短絡的で

恥ずかしくなります。

妻を、傷付けてしまったのではないかと不安に思っていると、

「貴方…温泉に行かない?」

「あ、ああ…そうしょうかな」

「私は疲れちゃったからお部屋で休んでいてもいい?」

「うん…あのさ…」

「なあに?」

「さっきは…ごめん」

 黙って首を振る、妻。

「私が悪いの…」
 
少しの間を置き、搾り出すような声で言いました。

『私が悪いの…』
 
妻の言葉が、胸を締め付けます。

私には、それが他人との情交に溺れている自分の

現状も含めての言葉だと感じられました。

「じゃあ、行ってくるよ」

「ゆっくりして来てね」

「ああ」
 
私は着替の準備を整えて、部屋を後にしました。
 
重い気分のまま、露天風呂へ向かう私。

と、あれこれと思い悩む私の背中に声が掛かりました。

「やあ、もうお風呂ですか?」
 
振り返った私に、相原が笑顔で話し掛けて来ます。

「ええ、旅の疲れを癒そうと思いまして」

「そうですな、ごゆっくりされるといい。

私は以前も来た事があるのですが、ここの露天風呂は

広くて気持ちが良いですぞ」

「そうですか…相原さんもご一緒しますか?」

「いやいや、私はまずこっちの方で…」

グラスを傾ける仕種をする、相原。酒を飲むつもりらしい。

「そうですか。それじゃあ、お先に」

頭を下げ踵を返す私に、

「祐子ちゃんの具合はどうですかな?」
 
と、相原が問い掛けます。

「疲れているようで、部屋で休んでいますよ」

「…そうですか。では、また」
 
私は余計な事を言ったと、後悔しました。

最後に見せた、相原のいやらしい目付きが気になります。

(まさか私がいない隙に…)
 
一度不安を覚えてしまうと、もう止まりません。

しばらく迷いましたが、一度部屋へ戻る事にしました。
 
急いで扉の前まで戻り、中の様子を窺います。

しかし、部屋の中から話し声などは聞こえて来ません。

(取り越し苦労だったか)
 
私は、ルームキーを取り出し鍵の掛かった扉を開け、

「祐子」
 
と、妻の名前を呼びます。しかし、返事はありません。



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