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妻の青春、その35、僕の子供を産んでくれるなんて・

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妻の青春、その35、僕の子供を産んでくれるなんて・

家内はしばらく間をおいて言いました。

「もし・・・私が妊娠したら・・・どうする?」

「それは・・・・・・」

私は僅かに聞こえてくる2人の会話に聞き入っていました。

「ねえっ、答えて・・・」

「もちろん・・・・・・産んでほしいです。

洋子さんが僕の子供を産んでくれるなんて・・・でも、

本当にそうなったら、どうしていいか・・・」

「ありがとう・・・川島くん・・・」

「えっ?」

「私が妊娠したら・・・産んでいいのね」

「産んでいただけるのですか?本当に僕の子供を、

洋子さんが産んでくれるのですか?」

しばらく2人の会話か途切れてしまいました。

家内は何と応えるのか・・・私は息をするのも忘れてしまうぐらい、

聞き洩らさないように耳を傾けました

長い間、家内は何も言わず黙ったままでした。

すると、川島君が待ちきれないように言いました。

「洋子さん・・・本当に妊娠しそうなんですか?」

家内はやっと口を開きました。

「・・・安全日だから・・・しないと思うよ。ごめんね・・・」

「洋子さんが謝らなくても・・・ホントなんですね」

「弘毅を産んだのが15年前だし、もう妊娠はしないわ。

変なこと言ってごめんなさいね。でも・・・すごく嬉しかったよ」

「嬉しかったって?・・・」

「だって・・・川島君、もし私が妊娠したら・・・

産んでほしいって言ってくれたでしょ」

「ええ・・・その気持ちに変わりはないですよ」

「それが、すごく嬉しいの。もし、すぐに堕ろしてくださいなんて

言われたら、いやだし・・・」

「僕そんなこと・・・絶対言いませんよ。でも・・・

もし子供ができたとしたら、

女の子がいいかな。洋子さんに似た気立てのいい子が

できそうですね。

男の子だったら、やっぱり僕や弘毅君みたいに

サッカーしてほしいな」

しばらく、また会話のない時間が過ぎていきましたが、

毛布が擦れ合うような音に混じって、舌を絡めあっているような雰

囲気が伝わってきました。

家内の生理はほとんど狂うことがなかったように思いましたので、

私はややホッとして和室に戻って寝ようかと思った時でした。

「私ってね、本当は妊娠しにくいみたいなの。

結婚して弘毅ができるまで2年かかったしね。

体型は安産型って言われるけど・・・」

「へーっ、確かにそう見えますね」

「何よ、それどういう意味?」

「いててっっ・・・すみません(笑)」

やや湿っぽい雰囲気だったのがいつもの明るい2人になり、

やがて静かになっていきました。

私も和室に戻り、いつの間にか深い眠りについていました。

すでに恋人同士になったような家内と川島君のセックスを、

数メートル先で見たばかりでしたが、私は信じられないぐらい

ぐっすりと眠ることができました。

それから何時間経っていたのでしょうか、

私はふと脇腹あたりになにやらゴソゴソと異物が

当たるのに気がついて目が覚めたのです。

なんだ・・・これは?

思わず布団を捲り上げると・・・そこには家内がいたのです。

「あっ、ごめん・・・起しちゃったかな」

「どうしたんだ? こんなところに潜り込んできて・・・」

家内は悪いことをして見つかってしまった子供のように、

顔を隠しながら布団の隙間から私を見つめていました。

シャワーを浴びたばかりなのか、

髪の毛は少し濡れており、シャンプーと石鹸の

匂いがほんのりと漂ってきました。

「ううん、なんでもないよ。ここに入りたかっただけ・・・」

私の脳裏には、目の前で見た2人の全裸で愛し

合う姿が浮かんできました。

家内も一部始終を見られていたことを知っていたのでしょうが、

私は敢えて何もなかったかのように言いました。

「変な奴だな、こんな狭いところに入ってきて・・・」

「いいでしょ、狭いけど・・・・・・やっぱりここが落ち着くわ」

家内はそう言いながら、何も言われないことに少し安心したのか、

私の胸の上に頭をおいて目を閉じました。

しばらくそのまま、私と家内は1つの布団の中で

抱きあうようにしていました。

「川島君はどうしてる?」

「もう、ぐっすり夢の中よ。実はね、あの子のイビキがうるさくて、

私眠れないのよ。だからここに来ちゃった。

やっぱり、あなたのそばが私の定位置かな」

いつになく、家内の可愛い言い方に、私は思わず抱きしめて、

頬にキスをしました。

「俺のそばの定位置は、ずっと・・・一生・・・

洋子のためにあけておくよ」

「うん、今まで通り・・・これからも・・・

あなたの奥さんだし、弘毅のお母さんだから・・・追い出さないで・・・」

家内の言葉に、少しグッとくるものがありました。

一年限りの恋人宣言をしても、家内は決して家族のことは

忘れていないと思ったのです。

「弘毅も今年はいよいよ高校受験だな、早いもんだ」

「そうだね、いいお母さんでいないと・・・」

数時間前に家内を抱いた川島君が近くで眠っている中で、

今から思えばなぜそんな会話になったのか不思議でしたが、

私は家内の頭を撫ぜながら、しばらく家族のことをポツポツと

話し合っていました。

しばらくの間、私は浴衣の上から家内の身体の感触を

確かめるように抱き締めていました。

「ねえ・・・妬いてる?」

「ムチャクチャ・・・妬いてるよ、妬かない方がおかしいだろ?ただ、

俺が川島君を癒して支えてやれって言ったからな。

少し複雑だけど、かなり興奮もしているよ」

「川島君の恋人になるなんて・・・想像してなかったでしょ?」

「ああっ、まったくの想定外だよ。でも・・・こういうのって・・・

自分の奥さんが他の男の恋人になるっていうのは

すごい刺激だな。多分、洋子はこれからすごく若返ると思うよ」

「そうかしら・・・でも長くても1年だけよ。それに、

あなたがやめろって言うならいつでもやめるわ。

こんなことでお互い不幸になりたくないし・・・」

「まあ、その時はその時で考えればいいさ。

洋子・・・そろそろ川島君のところに戻ってやれよ」

すると、家内は起き上がって、私の顔を覗き込みながら言いました。

「うん・・・行くよ」

家内は布団から出ると少し微笑んで、

はだけた浴衣の前を合わせて川島君の元に戻っていきました。

また、行ってしまったな・・・やはり家内がいなくなってしまうと

少し寂しさがありました。



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