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妻の青春、その5、家内の身体に触れました。







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妻の青春、その5、家内の身体に触れました。


「今晩また川島君のマンションに行ってくるね, 今日は川島君が

ご馳走してくれるって言うから」

当日の朝の出勤前に、家内はさらっと切り出してきました。

今晩誘っていることは川島君から事前に聞いていたのですが、

私はやや大袈裟に返事しました。

「本当かよ?あいつが料理をするのかい」

「ちょっとあやしいけどね。今日は僕が作りますから試食してくださいって

言うから、それ試食じゃなくて毒味じゃないのって言っちゃった」

「ははっ(笑)お前もきついなあ。まあ、食生活には十分気を

つけてやれよ。料理が出来なくても、牛乳とか納豆とか

身体に最低限必要なものを毎日摂る習慣をつけてやったほうがいいな」

「そうよね、夕食は用意しておくからお願いね」

家内と川島君はあの『告白』の日からもメール交換は続けていたのですが、

川島君から転送されてきたメールを見る限りでは、

お互い核心に触れることを避けているような

内容ばかりでした。当たり障りのないような話ばかりで、

やっぱり川島君はこれ以上のことを

する勇気はないのかな思っていたのですが、

料理に挑戦するからということで家内を誘ったようでした。

二度目の訪問、そして川島君の『告白』後初めて

二人きりとなる日です。

しかも、無理矢理でなかったら何をしてもいいと了解したも同然ですから、

私は仕事中も落ち着きませんでした。

今日も早めに仕事を切り上げて家で家内の帰りを待とうと思い、

落ち着かないながらも仕事のピッチをいつになく上げて

帰ろうとしたのですが、夕方に取引先から思わぬクレームが入りました。

ミスをした部下と一緒に取引先を訪問し、ようやく解放された時は

夜の11時を過ぎていました。

取引先を訪問中は携帯を留守電にしていたのですが、

その間に川島君から着信歴が2回と

メールが1回、家内から着信歴が1回ありました。

私は取りあえず家内に連絡をとりました。

「すまない、急にクレーム処理が入って今やっと終わったところだ。

部下と一緒だから軽く食事をして帰るよ」

「そうだったの、お疲れさま。私も1時間ぐらい前に帰ったんだけど、

弘毅がお父さんから連絡もないしまだ帰ってないって言うから

心配してたのよ」

「連絡が取りにくい雰囲気だったからな、

先に寝ててくれればいいよ、じゃあ」

家内は電話の感じではいつもと変わらない様子でした。

今日は一体どうなったのか、私ははやる気持ちを押さえながら、

川島君のメールを開けました。

メールを受信した時刻は9時半過ぎでした。

゛瀬戸さん、お仕事中でしたら申し訳ございません。

留守電でしたのでメールを送らせてもらいます。

9時過ぎに洋子さんはお帰りになりました。

またDVD報告をさせていただきますが、

もしよろしければ明日昼食をご一緒させていただけないでしょうか。

会社の近くまで行きますので。

今日は1歩前進というところでしょうか?゛

意味深な川島君のメールでした。

1歩前進ということは、川島君の『告白』に対して家内が何らかの

返事をしたか、

川島君が『告白』以上のことをしたか、

いずれかということなのでしょうか。

私は川島君に明日の待ち合わせ場所をメールして、

帰宅したのは日付が変わってからでした。

私は深夜に帰宅しましたが、家内は寝ないで待ってくれていました。

「おかえり、大変だったね」

「ああっ、散々だったよ。今の時代はいろいろうるさいよ。

以前なら電話で謝ったら済んでいるのになあ…

それはそうと、どうだった?川島君の料理は」

「えへっ、もう笑っちゃうわ。あれでよく食事をご馳走しますなんて

言えたものね。結局ほとんど私が作っちゃったわ。

でも自分でやろうとするだけでもいいことよね」

「そうだな、まあ本人が自分で食事に気を使うように

なることはいいことだよ」

「そうね、いつまでも若くないしね」

「さぁ、俺は風呂に入るから先に休んでくれよ」

食事のことなどは正直どうでもよかったのですが、

家内がそれ以上何も言いそうな感じでもなかったので

私は風呂に入りました。

翌日の昼、川島君は約束の時間に待ち合わせ場所の喫茶店に来ました。

DVDを受け取り、昼食を共にしながら川島君に聞いてみました。

「1歩前進か?どんな前進なのか楽しみだな、ゆっくり見せてもらうよ。

家内は特に変わった様子はなかったけどな」

「そうですか、むしろ変わっておられない方がいいですね。

何事もなかったかのように自然の流れとして受けとめていただければ、

僕もうれしいです」

「そうか、自然の流れの中で1歩前進か。ますます楽しみだな」

私は川島君に余裕の表情を見せていたつもりでしたが、

心の中では早くDVDを見たくてたまらなかったのです。

その日は7時頃に帰宅しましたが、DVDを見ることが

出来た時は11時を過ぎていました。

家内が寝室に入ったのを確認し、私はボリュームを落して

ドキドキしながら再生させました。

DVDに出てきた川島君の部屋は前と何も変わっておらず、

ビデオが隠されている位置もまったく同じのようでした。

二人でキッチンに立って食事を作っているのか、

家内と川島君の姿が見え隠れし、

時々話し声も聞こえてきました。

「ああっ、だめよ。それは先に煮込まないと」

「ちがう、ちがう、いいわ それは私がするから」

どうやら川島君が何とか自分でしようとしているのを、

家内は見ていられないといった雰囲気です。

その後は前と同じような光景でした。

二人で食事をしながら談笑し、その後はまたもやワインを傾けていました。

「川島君もやればできるじゃない、私 見直したわ」

「そうですか、でも全然ですよね。洋子さんがいないと

悲惨な料理になってとても食べられたものじゃないですよ」

「いいの、いいの、食事に気をつけようと思うだけでも全然違うから」

家内に褒められて川島君はすごくうれしそうな顔をして笑っていました。

まさか、これが1歩前進なのかな、

そうだとしたらとんだ筋違いな前進だな…

そんなことを思いながら、前とほとんど変わりないDVDに

私も飽きてきたところでしたが、川島君が家内に言いました。

「洋子さん、肩がこるんですか?」

家内がワインを飲みながら時々肩のあたりを触っているのをみて

川島君が声をかけたのです。

「うん、私 結構若い頃から肩がこるタイプなのよね」

すると川島君はちょっと深呼吸して言いました。

「そうなんですか、もし…よかったら僕が揉んであげましょうか?」

「ほんとに?じゃあお言葉に甘えちゃおうかな」

すると川島君は家内の背後にまわり、後ろから家内の肩に

手をおいてゆっくりと揉み始めたのです。

川島君が初めて家内の身体に触れた瞬間でした。



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