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あなたならどうする、その13、あの男の使った穴なんか汚くてつかえるか





あなたならどうする、その13、あの男の使った穴なんか汚くてつかえるか

強張った表情の妻に、立て続けに聞いていきました。

私「やり直したとしても、お前に皮肉を言う事や辛く当たる事があるはずだぞ」

妻「それは、しょうがない事だと思います」

私「耐えられるのか」

妻「はい」

私「それじゃ、お前が本気なのかどうか、

俺が出す条件に従うなら様子を見ようじゃないか」

妻「どんな事ですか」

私が出した条件は、

嘘や隠し事は絶対にしない。些細な事でも全て報告する。

金銭管理は全て私がする。家賃を含め公共料金も食費も半分ずつ負担する。

通帳もカード類も預かり、妻は小遣い制にする。

営みは出来る限りの奉仕をする。私からの要求は全て受け入れる。

貴金属、バッグ類、服などのブランド品は全て処分する。

かなり戸惑っていた妻だが、最終的には承諾した。

私「それら全てを誓いの言葉として用紙に書いて署名捺印しろよ」

妻は私の言った事に従い、書き始めた。

私「もし約束を守らなかった時は終わりだ。親を始め知り合い全員に

証拠の全てをぶちまけるし、もちろん慰謝料も要求する」

妻「約束します、絶対に守ります。償わせて下さい」

私「通帳と印鑑、キャッシュカードにクレジットカードもここへ出せよ」

妻は素直に私の前に差し出した。

通帳は2つ有り、両方の預金を足すと約610万円ありました。

(後日、記帳してみると最近の約2カ月で、

かなりの金額が頻繁に引き出されていた)

私「それじゃぁ、全部預かるからな。他にヘソクリとかは無いのか?」

妻「無いです」

私「小遣いは月に2万円な。食料などの買い物用として1万円渡しておく、

それはレシートを見せれば補充するから」

妻「会社の付き合いとかお昼代を考えると足りないと思うんだけど・・・」

私「2カ月以上も好き勝手しておいて馬鹿言ってんじゃねーよ。

お昼は、残り物を弁当にして持って行けよ。

後はやり繰りするんだな」

その後、貴金属・バッグ類・服などを私の目の前に出させた

必要最低限の物だけを妻に返し

「売れる物は金に換えるから安心しろ」と言った。

妻「時計は必要なので返してほしいんだけど」

私「アイツと会う時に付けていた物や、

着てた物は全て処分するからダメだ」

妻「・・・・・」

私「アイツの結婚指輪と似てる指輪ってどれだ?」

妻「あっ、それはポーチの中に」

妻は、いつも持ち歩いているポーチを持ってきて、

中から指輪を取り出した。

私「これは捨てるぞ」と言って指輪を受け取った。

次にタンスまで行き下着を全て見せるように言った。

そこには上下揃いの高級そうな下着が、かなりの枚数入っていた。

私「見た事の無い下着があるなぁ。アイツの為に買った物か?」

妻「・・・そうです」

私「全て捨てるからな」

妻「・・・はい」

私「それから今してる結婚指輪は外して俺に預けてもらおうかな」

妻は全てを諦めたかのように、私の言った事に従った。

夕食を済ませ風呂から出て、

リビングで少しの時間を過ごすと寝室へと行った。

お互いのベッドに入り電気を消し、私は妻に問いかけた。

私「そんなにアイツのチンコが良かったのか?」

妻「そういう事じゃなくて・・・」

私「セックスが上手かったわけだ」

妻「違うの、本当に愛していた、ただそれだけで・・・。

側に居たかった・・・それだけだった」

私「アイツの言う事は、何でも受け入れていたんだろ?」

妻「どういう事?」

私「野外でやったり、SMとかハメ撮りとかもしたんだろ」

妻「そんな事してない」

私「露天風呂は野外じゃないのか?」

妻「・・・・・」

私「アナルも捧げたのか?」

妻「それは私が大嫌いなの知ってるでしょ」

確かに私の知る限り、アナルに触れるのも嫌がっていた。

私「それは俺との事で、アイツは特別の人だから何でもやらせていたんだろ」

妻「本当にしてない」

私「そうか・・・」

私もかなり疲れていたのでしょう、そのまま深い眠りについた。

翌朝、朝食を食べながら

私「それじゃ、この先お前の“やり直したい”

という気持ちを見させてもらうからな」

妻「ありがとう。それから・・・何て呼べばいいの?」

私「あぁ俺の事か。そうだな、“ヨシジさん”でいいよ」

妻「・・・わかった」

いつになく仕事を休みたい気分の月曜日だったが、無理して出社した。

仕事をしていても、頭の中がモヤモヤしてスッキリしない一日であった。

この日の帰り道、私はとある考えからアダルトショップに寄り

“ローション”を買った。

家に着くと妻は夕食の支度をしていた。

私は先に風呂に入ろうとした時、電話が鳴りました。

電話は横山氏からで

「示談の手続きをしたいので土曜日に事務所へ来てほしい」

との事でした。

私は「当分の間、妻と別れずに居る事になった」と言い、

麻美さんにも伝えてほしいとお願いした。

横山氏は妻に代わってほしいと言うので、

キッチンまで子機を持っていった。

妻は強張った面持ちで「・・・はい、・・・はい、大丈夫です」

と何度か返事をして電話を切りました。

妻「今度の土曜日に一緒に事務所に来てくれと言ってたけど」

私「うん、聞いたよ。事務所の場所は知ってるから」

そう言うと私は風呂に入った。

食事も終わりリビングでテレビを見ていると

洗い物を終え風呂から出て来た妻が側に来ました。

妻「土曜日にお金を持って行かなくてはならないのでお願いします」

私「そうか、通帳と印鑑だよな。あとで出しておくから」

妻「はい。それと、明日からお弁当を持っていきますがヨシジさんも要る?」

私「俺は今まで通り外で食うから要らない」

りますが・・・)

2人で少しの時間、リビングで過ごした後

「そろそろ寝室に行くか」と言って立ち上がりました。

妻は黙って私の後について来た。

寝室に入ると、私は裸になり妻のベッドに大の字に寝ました。

私「さぁ、どう奉仕してくれるのかな」

妻は無言で下着姿になり、まずはキスをしようとしました。

私「キスはしないでくれるかなぁ」

妻は一瞬“えっ”というような顔をしましたが、

続けて私の体を愛撫します。

その後フェラを丹念にし始め、私はそれをしばらく堪能していました。

私「今度は、お前が裸になって横になれよ」

そう言って用意しておいたバスタオルを敷き、

ローションを手に取りました。

妻「それは何?」

私「これはローションだよ。どうせ俺とじゃ、

まともに濡れないだろう」

妻は下着を脱ぎ裸になると、素直にバスタオルの上に仰向けに寝ました。

久しぶりに見る妻の体であったが、

さすがに以前の様な感情は湧かなかった。

妻の胸を両手で揉み、乳首を指で転がします。

しかし決して、口や舌を付ける事はしませんでした。

片手をマンコに持っていきクリトリスを触りましたが、

たいして濡れません。

私はローションを右手に出しマンコに付け、

中指を膣の中に入れて掻き回します。

その後、中指と薬指の2本でGスポットを激しく刺激し続けました。

妻も「あぁっあっあっあ~」と声を出し始めました。

さらに激しく手マンを続けていると、

妻が逝きそうになったので膣から指を抜きました。

荒い息をしている妻に「どうして欲しいか言ってみなよ」

と言いました。

妻「お願い・・・」

私「アイツには進んでマンコにチンコを入れてくれって

言ってたんだろ」

妻「・・・・・。入れて下さい」

私「誰の何を、誰の何に入れてほしいのか

ハッキリ言わなくちゃ分かんないよ」

妻「私のマンコにヨシジさんのチンコを入れて下さい」

私「これからは毎回、自分から積極的に言えよ」

妻「・・・・・」


私「今度は“四つん這い”になれよ」

素直に従った妻の肛門にローションを垂らした。

妻「えっ!何するの?」と体を反転させ、私を見た。

私「アナルに入れる準備だよ」

妻「なに言ってるの?私が嫌いなの知ってるでしょ。

そんなこと出来ないから」

私「じゃぁ、何処に入れるんだよ」

妻「・・・マンコ・・じゃ・ないの?」

私「アイツが使ってたマンコなんて、汚くて使えるかよ」

妻「・・・」

私「ウダウダ言ってないで、早く四つん這いになれよ」

妻は渋々四つん這いになりました。

私はローションを肛門と自分の右手に付け、

ゆっくりと人差し指を入れてみた。

想像していたより案外すんなり入ってビックリしました。

私は今まで女性のアナルを触ったり、

指で突いたりした事はあるがそれ以上はした事はない。

ましてやアナルセックスは興味も無く、したいと思った事もないのです。

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部屋に入り、私は冷蔵庫からビールを出し一気に飲んだ。

リビングの床に正座した妻が「ゴメンなさい・・・許して下さい」

と泣きだし土下座した。

そのまま数十分、妻が落ち着くのを待ち私は話し始めた。

私「お前はこれからどうするつもりなんだ」

妻「許して下さい、お願いします」

私「許す?そんな必要はないだろ、俺より“あの男”を選んだんだろ?」

妻「あの人の気持ちは今日で全て分かりました、私が馬鹿でした・・・」

私「全て分かった?

前に捨てられた時だって分かってたんじゃないのか?」

妻「はい・・・、でも一度会ってしまったら・・・、

本当に愛していた人だったから・・・」

私「それじゃ、俺はお前にとって何なんだ?」

妻「もちろん愛していたから結婚したし、

あの人の事は私の中からは消えたはずだった。

でも・・・会ってしまったら、前に付き合っていた時と

同じ気持ちになってしまったの。

私にとって、忘れられない人だった。あの人は特別だったんです、

私の全てだったんです。

ヨシには悪いと思って離婚も考えたし、

でも離婚すれば会えなくなるので言えませんでした」

私「結婚したから、アイツに抱いてもらえるなんて皮肉だな。

そりゃ気持ち悪い俺と離婚も出来ないよな」

妻「気持ち悪いなんて本当に思ってません。ただあの時は、

あの人の事しか頭に無くて拒否してしまった・・・

あの人以外は考えられなかった・・・どうかしてました」

私「アイツだけの女で居たかったわけだ。アイツはお前の事なんか、

何とも思ってなかったけどな」

妻「・・・・・本当にごめんなさい」

私「そう言っても、また連絡が来て“あの時はああ言うしかなかった、

本心じゃない。好きなのは里奈だけだ”とか言われたら、

また同じ事を繰り返すんだろ」

妻「そんな事は無い、絶対に。あの人の本心は全て分かったから・・・」

私「そんな事言って、今も連絡を待っているんだろ」

妻「信じて下さい、お願いします」

私「お前の何を信じれば良いんだよ」

妻「信じてもらえるように努力します、チャンスを下さい」

私「それじゃぁ、今後お前はどうしたいんだ?」

妻「ヨシと・・・やり直したい・・・」

私「あぁ?何をやり直すって?また、みんなを呼んで結婚式でも挙げるのか?

俺達は始まってもいないんだよ!」

妻「・・・・・本当にごめんなさい・・・」

また嗚咽を漏らし始めた。

私「それとなぁ、俺の事をヨシって呼ばないでもらえるか。

アイツの事はトシって呼んでたんだよな、気持ち悪りーんだよ」

妻「・・・・・」

ここで私は妻を無視して、シャワーを浴びに風呂場に入りました。

出て来た時、妻はそのままの場所でうなだれていた。

腹が減ったのでカップラーメンを食べた後、

妻の側に行き話し始めました。

私「お前の親に、俺が結婚の挨拶に行った時の事を憶えてるか?」

妻「・・・はい」

私「お前のオヤジは俺に“娘を泣かすような事があったら絶対に許さない”

と言ったよな。

あの頑固オヤジが今回の事を知ったら、

お前をどうするだろうなぁ」

妻「それだけは・・・許して下さい、お願いします」

私「大悟だって同じだぞ、俺は大悟を犯罪者にしたくないからよぉ」

妻「分かっています。お願いです、やり直す機会を下さい」

また土下座をして号泣した。

私「今日はもう寝るから・・・。続きは明日にしよう」

そう言って寝室に行き、

ベッドに入り目を閉じ考えていました。

妻が本気で“やり直したい”と言っているのかは分からないが、

私にはそんな事は関係ない事だ。

どうあれ許す気は全くないし、私の中では離婚は確定している事だから。

麻美さんも言っていたように直ぐには別れずに、

ここは側において様子を見よう。

当分の間、このままの生活を“条件付き”で続けてみようと思った。

翌日、目が覚めて隣のベッドを見ると妻が寝た形跡はなかった。

リビングに出ると妻はソファーに座っていた。

シャワーを浴び着替えたようで、

化粧は綺麗に落とされていたが腫れぼったい顔であった。

妻「何か食べますか?」

私「そうだな」

妻がパスタを作り2人で食べた後、改めて向かい合い話し合った。

1日経ち、お互い冷静に話せる状態ではあった。

私「もしアイツがお前と一緒になりたいと言ったら喜んで

受け入れていたんだよな?」

妻「そうだったと思います。

でも、あの人が離婚する事はないと思っていました」

私「今回の事で、アイツは離婚するんじゃないのか」

妻「もしそうでも、もう関係ありません」

私「アイツがダメだから俺なのか」

妻「そう言う事ではなく・・・、本当にゴメンなさい。

許してもらえるように、どんな償いでもします」

私「それにしても、あんなに憎んでいた男を、

良くもまぁすんなりと受け入れられるもんだなぁ」

妻「自分でも良く分からないけど、

やっぱり忘れられない特別の人だったのだと思う。

それと可哀相にもなって」

私「可哀相?何が?」

妻「愚痴を聞いていたら可哀相になったの。

会話の内容は知っているんでしょ?」

私「お前の口から聞きたいから、全て話せよ」

妻「肩身は狭いし、毎日辛い結婚生活とか。お金も自由に使えないし、

全て指図されている。俺は種馬じゃ無いとか。

プライドが高くヒステリックで嫉妬深い。

本当に嫌なババア、結婚なんかしたくなかった。

こんなような事を良く言っていたわ」

私の貰った証拠の会話には、こんな話しは一切入っていない。

麻美さんのプライドが許さないはずで、

私に渡す物からは消すように指示したに違いない。

寺岡の言った事が真実でも嘘でも、

麻美さんの怒りが倍増したのは確かであろう。

私「そんなに簡単にアイツの事を忘れられるのか?

忘れられない特別の男なんだろ」

妻「今回は本当に、あの人の本心が分かったから、絶対に大丈夫です」

私「1日に何度も抱かれて、乱れ狂い中出しまでさせた男だぞ」

妻「えっ?何で・・・」

私「驚いたか?何でも知っているんだよ。

聴かせてやろうか、お前の狂ったような喘ぎ声を」

妻「・・・ごめんなさい」

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あなたならどうする、その11、卑劣な男








なたならどうする、その11、卑劣な男

横山「ここまでの話しを聞いて、敏文さんは何か言いたい事が有りますか?」

寺岡「この女の言っている事はデタラメで、

さっき俺が言った事が本当だ」と、

麻美さんに向かって言った。

横山「里奈さんはデタラメを言ったのですか?」

妻「・・・・・」下を向いたまま何も答えなかった。

横山「それでは、先ほど敏文さんが言った事を里奈さんにも

聞いてもらいましょう」

そう言うとメモを読み始めた。

数年前に少しの期間、

付き合っていたが別れた事を根に持っているみたいで困っている。

今回も急に連絡をして来て「結婚祝いぐらいしてくれても良いんじゃない」

と何度も言ってきた。

あまりしつこいので一度だけ会う事にしたらホテルに誘われ、

断ったら「奥さんに会わせろ」と言われた。

一回行けば、もう連絡しないと言うのでホテルに行った。

その後は、「奥さんに言う」と脅されて、

とにかく麻美に知られるのが怖くてズルズルと関係を続けてしまった。

旅行も断り切れずに、嫌々行ったし、とにかく従うしかなかった。

横山「敏文さんは、こう言っていますよ」と妻を見た。

妻「・・・・・」言葉が出ない妻は益々体を硬直させ、

下を向き肩が震えていた。

横山「会った回数も、敏文さんは3~4回ぐらいと言っています。

どちらが本当なのでしょうかね」

寺岡「俺は嘘は言ってない」

横山「会うのは里奈さんの都合に合わせていたわけですね」

寺岡「頻繁に連絡があり誘われて、

その都度かなり断ったが脅されて仕方なく会ってしまったんだ」

横山「かなり話に食い違いがありますね。前に付き合っていた期間なのですが、

どのくらいですか里奈さん」

妻「・・・・・3年ぐらいです」

横山「敏文さんは5カ月ぐらいで、

その後はストーカーみたいだったと言っています」

妻「・・・・・」

横山「敏文さん、最初に言いましたよね。全ての証拠を持っていると」

麻美「全て分かっているのよ!」

寺岡の体がビクッと動き上目遣いで麻美さんと三井さんを見た。

三井「女々しい男だな~。そう思うだろ堀切君」

私「色男が台無しだねぇ。まぁ色男というよりはエロ男だけどね」

三井「わっはっはっは~、上手い事言うね~」

横山「敏文さんの言っている事は全て嘘だと、

ここに居る皆さんが知っていますよ」

血の気が引いた顔、そして虚ろな目で何も言えない寺岡だった。

横山「先ほど見せた画像は、証拠のほんの一部で、

その他2人の会話なども記録していますので、

今回の詳細は全て分かっています」

寺岡はソファーから降り麻美さんに向かって土下座をした。

寺岡「すまなかった!本当に申し訳ありませんでした」

今度は三井さんに向かって土下座をして、

寺岡「許して下さい、お願いします」

麻美「あなたの言っている事は、全部嘘じゃない!」

寺岡「誤解なんだ、信じてくれ」

麻美「なにが誤解なの!」

寺岡「いや、あぁー・・・」

麻美「どういうつもりで、こんな事したのよ!」

寺岡「ほんの遊びのつもりだったんだ。

ただ都合が良かっただけで、

こんな馬鹿な女の事なんて何とも思ってない。

本当に愛しているのは麻美だけなんだ」

麻美「旅行まで行ったんでしょ!」

寺岡「それは本当に、この女が強引に行こうと誘うので断れなかったんだ」

麻美「嬉しそうに、プレゼントされたシャツを着てたくせして」

寺岡「仕方なくだよ、その証拠にシャツは帰りに捨てたんだから」

この会話の最中、妻が嗚咽を漏らし始めた。

重苦しい雰囲気の中、冷静な声で

横山「それでは本題に入りましょう」

そう言うと、妻と寺岡の前にそれぞれ用紙を出した。

横山「それは堀切さんから頼まれた誓約書です。

良く読んで頂いて署名捺印を頂けますか」

そこには“親密な関係にあったことを認める事、

今後いかなる理由があろうとも一切の関り、接触を絶つ事”などが

難しく長々と書かれてあった。

2人は読み終わると住所を書き、署名そして拇印をした。

横山「堀切さんは敏文さんに対して金銭をもって示談にすると言っていますが、

いかがですか?」

寺岡「はい、それはもちろん」

横山「通常200万円~300万円ですが、今回500万円を請求します」

三井「直ぐに払うに決まっているよな」

寺岡「は、はい」

横山「麻美さんも里奈さんに500万円で示談としたい考えですが、

いかがですか?」

泣き続けている妻も「はい、お願いします」と、

なんとか声に出した。

横山「それでは、示談書は早急に作成しておきます」

床に正座をしている寺岡、今なお嗚咽を漏らしている妻、

私はそんな2人を見て大きくため息をついた。

横山「堀切さん、後は奥さんとお2人で今後の事を話し合ってみて下さい」

私「分かりました」

そう言うと私は、ビデオカメラをオフにして片付け始めた。

私「最後にエロ男に言いたいんだけど、

俺には何か言う気はねぇのかなぁ」

寺岡「えっあっ、この度は申し訳ありませんでした」

私に向かって土下座をした。

それを見ていた妻が慌ててソファーから降り土下座をして、

麻美さんと三井さんそして奥さんに何度も頭を下げた。

妻「申し訳ありませんでした。お許し下さい・・・」

そして声を出して号泣した。

横山「近日中に連絡しますのでお待ち下さい」

私「了解しました、今日は有り難うございました。失礼します」

麻美さん三井さん奥さんにも会釈をしました。

私「お前はどうするんだ?そのままエロ男の側に居るつもりか?」

妻は力無く立ち上がり、皆さんに頭を下げると歩き出した。

とぼとぼと私に付いてくる妻を、振り返る事もなく家まで帰った。

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あなたならどうする、その10, 情の裏返しの憎悪の深さを、





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あなたならどうする、その10, 情の裏返しの憎悪の深さを

リビングルームへ入って真正面に横山氏と麻美さんが見え、

その向かいに座っていた寺岡がこちらを振り向いた。

寺岡は直ぐに向き直り、うなだれるように頭を下げた。

妻はその瞬間、身動きできずにその場に固まったまま、

かすかに震えていた。

横山「堀切里奈さん、こちらに来てお座り下さい」

そう言って寺岡の横を指した。

固まったままの妻の背中を押しながら「自分で歩けや」と私は言った。

麻美さんの斜め横に座っていた三井さんが

「写真で見るより美人だね」と言ってニヤッとした。

その時、寺岡が「オエッオエッ」と、

今にも吐きそうに口を手で押さえている。

三井さんが「こんな所で吐かないでくれよ」と冷たく言った。

麻美さんは妻がリビングルームに入って来た時から

目を離さず睨みつけている。

私は「サッサと座れよ」と言い、また背中を押すと寺岡の横に

50センチぐらい離れて座った。

私は「横山さん、ちょっと待って下さいね」と言って

バックからビデオカメラと三脚を取り出し、

2人が映るようにセットし始めた。

静まり返った中、奥さんが「いつものジュースでいいわよね?

奥さんも一緒でいいかしら」。

私「きっと喉なんか通らないでしょうし、

もったいないから俺だけ頂きます」

三井「堀切君、なんか嬉しそうだね~」

私「そりゃーそうですよ。この日を待っていましたからね」

私の前にジュースが出され、

ビデオカメラのセットが終わり録画ボタンを押した。

横山氏に「お待たせしました。

それじゃ、始めて下さい」と言って私も座った。

テーブルの上には資料やノートパソコン、

それとICレコーダーが置いてある。

横山「里奈さん、顔を上げて頂けますか」

膝の上で固く握られた拳が微妙に震えている妻が、

ゆっくりと顔を上げ正面の横山氏を見た。

横山「私は弁護士の横山真一と申します。

こちらは寺岡敏文さんの奥様で麻美さんです」

妻は一瞬、目だけを動かし麻美さんを見た。

横山「そして、麻美さんのお父様とお母様です」

妻の口がかすかに動いたが言葉となって出てはこなかった。

横山「敏文さん、こちらは里奈さんのご主人で堀切吉次さんです」

と、紹介したが寺岡は私を見る事は無かった。

横山「里奈さん、もう状況はお分かりだと思いますが、

取りあえずこれを見て頂けますか」

そういってノートパソコンの画像を数枚、妻に見せました。

横山「里奈さんと敏文さんで間違いないでしょうか?」

妻「・・・・・はい」絞り出したかのように声を出した。

横山「不貞行為をしている事を認めますか?」

妻「・・・」と言った時、チラッと寺岡を見た。

横山「認めますか?」少し強い口調になった。

妻「・・・はい」

横山「今回の不貞行為について、こちらは全ての証拠を持っていると

思って頂いて結構です。

そこで今日は確認という事でお話しを伺いたい、

決して嘘は言わないで下さい。

先ほど、敏文さんには同じ事をお聞きしましたので、

今度は里奈さんにお伺いします」

横山「まず、不貞行為の切っ掛けとなる最初の

連絡はどちらがしましたか?」

妻「・・・・・」

横山「どちらからですか?」

妻「・・・・・寺岡さんからです」

こう言った瞬間、寺岡が「ち・違うよ・・・」と口走った。

すかさず横山氏は「後で話しは伺いますから、

話しが終るまで黙っていて下さい!」

少しキツイ口調で言った。

この後、メモを取りながら横山氏が妻に質問をしていく。

しかし、この状況でスムーズには答えられない妻に、

根気強く質問を重ねていった。

(実際は、言葉が出ないのか喋りたくないのか寺岡に

気を使っているのか、定かではないが・・・)

その結果、やっと妻が語った事は・・・

結婚して1週間ぐらい経った時、寺岡さんから連絡が来て

「前の事を謝りたい、結婚祝いもしたい」と言われました。

最初は断っていたのですが、

3日ぐらい続けて連絡が来て1回だけなら良いかと会いました。

前の事をちゃんと謝ってくれて

「あの時は仕方がなかった、今も好きなのは里奈だけだ」

と言ってくれました。

飲んでいるうちに気持ちが揺れてしまい誘われるままホテルに行きました。

それからは前に戻ったように、

寺岡さんにのめり込んでいった事に間違いありません。

今まで会った回数は、仕事終わりの夜と週末とで

10回ぐらいだと思います。

会うのは全て寺岡さんの都合に合わせていました。

一度だけ、夫と喧嘩した翌日は、「どうしても相談したい事がある」

と私の方から連絡を入れて会いました。

旅行は私のわがままを聞いてもらい、一緒に行ってもらいました。

言葉が詰まり、時には黙り込む妻から、

これだけの事を聞き出すのにかなりの時間を費やした。

ヨシキリさん今晩は。

一度は行く末を誓った奥様です。

最後の愛情で人を裏切ることが周囲に迷惑をかけ、

不幸に導くことを身に染むように教えてください。

寺岡のようなバカ男に引っ掛からないよう、

愛情の裏返しの憎悪の深さを、

里奈さんの親兄妹(男女不明)にもバラしましょう。

ヨシキリさん、フラッシュバックはありませんか?

慰めにならないのは承知していますが一言、

時間が解決してくれるでしょう。

全てを吐き出して、前に進みましょう。

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あなたならどうする、その9, 仮面が崩壊しちゃいます。

また次の日から、嘘の夫婦生活が始まった。

妻はより一層、私との関係を普通にしようとしているようだ。

結婚したばかりの頃に戻ったようでもあるが、

お互いの気持ちは当時とは違っている。

もしかして今なら、営みを誘ったら大丈夫だろうと思えるほどでもある。

誘おうとは思わないけれど・・・。

水曜日には、いつものように『会社の付き合いで遅くなる』

とメールが入った。

11時近くに帰って来た妻は、もちろん機嫌は良く、

私との会話も避けるような事はなかった。

寺岡と離れない為だったら、

自分の気持ちも変えられるのかと思いながら妻を見ていた。

木曜日の夜には、本当に三井さんから電話が入り

「日曜日にビリヤードをやろうと」言ってきた。

妻に日曜は出掛ける事を伝えると、

この週末に予定の無い妻は「買い物でも行こうかな」と言っていた。

私は“またプレゼントでも買いに行くのか”と口から出そうになった。

日曜日は昼食を家で済ませ、三井邸へ向かった。

前回と同じようにインターホンを押し、中に招かれ玄関の呼び鈴を鳴らすと

見知らぬ女性が出て来てきた。

リビングルームへと行くと奥さんが居て挨拶をすると、

「こちら家政婦の吉田さん」と紹介された。

奥さんは「堀切さんに大きめのコップでジュースをお願いね」

と吉田さんに言って微笑んだ。

ジュースを飲みながら、奥さんと世間話しを10分ぐらいした時、

2階から三井さんが降りて来た。

「おぉ!来たな。今日は負けないからな」と言うと、

早々に始めようとしていた。

かなりの時間ビリヤードをやり夕食をご馳走になりましたが、

寺岡や妻の話しは一切出ませんでした。

帰りに「また、やろうな!」と三井さんに言われ帰宅しました。

風呂から出てソファーでビールを飲んでいると

「私も一緒に飲もうかな~」と言って隣に座りました。

わざとらしいと私は思い、寺岡から“仲良くしろ”と

、かなり言われているんだと感じた。

そして火曜日、ついに待ち望んでいた横山氏からの

連絡が入りました。

決行日は今週の土曜、全ては打ち合わせ通り。

水曜日の夜、妻が「日曜日は出掛けても良いかなぁ」と言ってきた。

これも計画通りで2人が日曜に会うようにしておけば、

土曜日に誘い出す事が容易になるという考えだ。

私「日曜かぁ・・・いいけど。それじゃぁ、

土曜日はちょっと付き合ってくれるか」

妻「なんなの?」

私「恩人に会ってもらいたいんだ」

妻「どんな人なの?」

私「とてもお世話になっている家族で、リナにも会ってほしいと思ってね」

妻「分かった、いいわよ」

私「ありがとー」

“お前達の日曜日は無いんだよ”と思いながら妻を見て微笑んだ。

木曜・金曜は何事も無く過ぎ、待ちに待った土曜日。

妻「どんな服装で行けば良いかしら?」

私「着飾る事は無いよ、俺は普段着で行くよ」

妻「何か持っていかなくていいの?」

私「今日は手ぶらでいいんだよ」

午前中に出掛け、三井邸の最寄りの駅前でランチを

食べながら横山氏からの連絡を待ちます。

セットのドリンクを飲んでいると、

予定よりも少し早く『お越し下さい』のメールが入りました。

妻と2人、三井邸へと向かう間、胸がドキドキしている自分に驚いた。

いつものようにインターホンを鳴らし、奥さんの「お入り下さい」の声で中へ入ると

「立派な家ねぇ」と妻が呟いた。

玄関で呼び鈴を鳴らすと奥さんが出て来て

「いらっしゃい」と妻の顔をジロリと見ました。

妻は「お邪魔します」と頭を下げ、私と2人で奥さんの後に

ついてリビングルームへと向かった。











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