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家内の彼氏、 その14、川島君の女に




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家内の彼氏、 その14、川島君の女に
私は時間を忘れてDVDに見入ってしまってました。
見終わったときは深夜の2時を過ぎていたと思います。
途中で途切れたような感じで大いに不満が残りましたが、明日から仕事ですので
もう寝ようと思ったものの、なかなか寝られませんでした。
川島君に突かれて喘いだり、唾を舐めまわしたり、そして川島君の女になるとまで言っていた家内…
…DVDで見た場面が次々と頭に浮かんできて、とても眠れる状態ではありませんでした。
結局その夜は一睡もできなかったのです。
ゴールデンウィークも終わり、再び普段の日常生活が始まりました。
私は会社、家内はパート、息子は学校…どこにでもある平凡な一家庭の生活です。
家内とセックスすることを容認したとはいえ、
私は川島君に対して問いただしておきたいことがありました。
『僕の女になりませんか』…その真意を確かめておきたかったのです。
しかし、いざとなると問いただす勇気がありませんでした。
もし、川島君に『洋子さんは僕の女になりましたから…』みたいなことを改めて言われたら、
自分は何と切り替えしたらいいのか、その上に家内からも同じことを言われたら
…私の立場はありません。
そのことを考えると川島君に連絡をとることを躊躇してしまったのです。
2日、3日と日が経過していきました。家内は普段と何も変わりはなく、
川島君からは何も連絡はありませんでした。
そして、ゴールデンウィーク後の最初の土曜の夜でしたが、
川島君から長文のメールが来たのです。
゛瀬戸さん その後いかがお過ごしでしょうか。
DVDはすでにご覧になられたかと思います。敢えて感想はお聞きしておりませんが、
もしかしたら、瀬戸さん お怒りでないかなと思い、メールをさせていただきました。
洋子さんの顔に唾をつけたり、僕の女になれ みたいなことを言ってしまって、
さぞかしビックリされたのではと思います。
ただ、僕としては、本気で洋子さんを僕の女にしようなんか思っていませんし、
洋子さんもそんな気は絶対ないと思います。あれは性行為の中で、
つい出てしまったうわ言のようなものだと思っています。
洋子さんには翌日『ありがとうございました』とメールしておきましたが、
『こちらこそ』 って返事が返ってきただけです。
もちろん、洋子さんのことは今でも大好きですが、
いつまでもこんなことをしていてはいけないと思ってますし、自分の親父を見てきていますから、
人の道に反するようなことはしないようにと思っています。
洋子さんとのことは良き思い出として、これからは改めて私の大事な顧客として、
瀬戸さんと洋子さんとはお付き合いをしたいと思ってますし、
洋子さんと陰で連絡を取り合ったり、お会いしたりすることは絶対ありません。
そのことは硬くお誓いいたします。
今後とも川島健太 ならびに我が社をよろしくお願いいたします ゛
俄かには信じがたいようなメールでした。
あそこまで濃厚なセックスをしておいて、今後個人的には一切連絡をとらなかったり、
会わないことなどできるのか。それに、いかに川島君がそうであっても、
家内がどう思っているのか…家内の方から川島君を誘うようなことがあれば、
それを言い訳にして逢引するのではないか…
私はしばらく様子を見てみることにしました。もしこっそり会ったりしていたら、
絶対許さないと思いながら…
「瀬戸さん、最近どうしているのかな?」
7月のある日の夕食時に息子が発した一言からすべてが始まりました。
「あれから全然うちに来てくれないね…」
息子は私と家内の両方を見ながら話しかけてきました。
川島君の名前が久々に出てきたためか、明らかに家内の様子が変わりました。
川島君の話題から逃れるように、何も言わずにすっと立ち上がって台所へ行くと、
戸棚を開けて何かを探すような素振りをしたのです。
「そうだなあ~、今は原油高で車も売れないらしいからなあ。
休みも返上して走りまわっているのかもしれないなぁ 」
私は明らかに川島君を意識している家内の様子を横目で見ながら、息子の問いかけに応えました。
「そうなのかなぁ~、今度の総体 健さんに見に来て欲しいんだけどなぁ」
「総体って、お前補欠だから試合なんか出られないだろう?
ベンチに座っているところを川島君に見てもらうのかい(笑)」
すると息子は口を尖らせながら反論してきました。
「見損なわないでよ、もしかしたら少しだけでも出れるかもしれないんだよ。
だから、健さんに来てほしくて…、ねぇ 健さんの携帯教えてよ」
家内は自分の席に戻ってきましたが、黙って食事をするだけで会話に入ろうとしませんでした。
「ああっ、まあいいけど、あまり無理を言わないようにしろよ」
「えへへっ…」
息子は川島君の携帯番号を紙に書いて、大事そうにポケットの中にしまいこみました。
本当に川島君を呼ぶつもりなのか、もしそうなれば……私は何となくドキドキしてきました。
そして、総体の日、私は家内と一緒に競技場まで観戦に行きました。
あの日以来息子は何も言いませんでしたし、私も敢えて確かめなかったのですが、
もしかしたら川島君が現れるのではと思いつつも、
息子が出てくるところを逃さないようビデオを構えていました。
試合は前半を終了しハーフタイムになりました。
「後半あたり 弘毅出てくるかな」私は独り言のように呟きました。
「どうかしら…」
家内は私の話を聞いているのか、何かを待っているかのように口数少なく応えたその時でした。
「こんにちは!!」
後ろから声が聞こえたので振り返ると……やはり川島君が現れたのです。
「瀬戸さん しばらくです。ご無沙汰してます」
仕事の途中なのか、ネクタイを締めたままの川島君は私と家内を見ながら頭を下げました。
久しぶりに見る川島君は真っ黒に日焼けして精悍な雰囲気で、イメージが変わった感じでした。
[わざわざ来てくれたのか、悪いなあ。仕事じゃないのかい?」
川島君は私の左隣に座りながら言いました。
「いえ、さっきまでお客さんの家にお邪魔してましたけど、もう今日は終わりなんです。
それより、弘毅くんはどうですか、もう出ましたか?」
私を間に挟んで、右に家内、左に川島君という位置関係で試合観戦が続きました。
試合を見ながら、私は川島君と仕事のことや世間話をしていたのですが、
家内と川島君は不自然なぐらいにまったく言葉を交そうとしませんでした。
結局息子は後半の終了間際の1分ぐらいだけでしたが、試合に出してもらえました。
息子が出てくると我ことのように大喜びし、大声で息子を応援してくれた川島君を見ながら、
改めて今時の若者には珍しいいい男だと思ったものでした。
息子との約束で、その日の夕食は息子のお気に入りのファミリーレストランに行きました。
川島君も快く誘いに応じてくれて一緒に来てくれました。
コの字型のテーブルに右から川島君、息子、私、家内の順に座りました。
息子は川島君にベッタリという感じで食事中もずっと川島君と話をしていました。
食事も終わり、一息ついていた時に息子がお腹を押さえながら、トイレに走っていきました。
「しょうがないなあ、冷たい物を取り過ぎたんだな」
そう言いながら、私はその時ふと思いました。今ここで自分がいなくなれば、
家内と川島君が二人きりになる…今日まだ会話らしいこともしていない二人がどういう態度をとるか…
そう思うと、二人がどうするのかどうしても見たくなりました。
「ちょっと表で煙草吸ってくるよ」
禁煙席に座っていたことをいいことに、私は立ち上がりました。
「ああっ、そうですか…」
川島君はやや慌てた感じで言いました。もしかしたら、
私に合わせて川島君も立ち上がるのかと思いましたが、
もともと煙草を吸わないしわざとらしいと思ったのかそのまま座っていました。
私はレストランの表に出ると、ウインドウ越しに家内と川島君の様子を窺いました。
二人の間には2m弱の微妙な空間がありました。
しばらく見ていても会話をしている雰囲気はなく、キョロキョロしている川島君に対し、
家内は下を向いたままでしたが、やがて川島君が家内のほうを向いて何か話しかけている
ように見えました。家内は下を向いたままでしたが、
川島君を拒否しているという感じではなく、少し笑っているように見えました。
何を話しているんだろうか、私はすごく気になりました。約2ヶ月前に身体の関係を結んだとはいえ、
二人ともぎこちなく、お互いが相手に遠慮しているという感じでした。
しばらくして、息子がトイレから戻ってくる姿が見えましたので、
私も戻りました。再び家内と川島君の間には、二人の゛邪魔者 ゛が入った格好になりましたが、
何となく和やかな雰囲気になったように思ったのは私だけだったのでしょうか。
川島君とも別れて家に帰ると、私は会話の中身を聞きたくて川島君にメールしました。
家内と会うのは久しぶりだったんだろ、何を話したんだい? 
急にツーショットになっちゃったんで少し焦りました(笑)。
でも、瀬戸さんのご配慮だなと思ってそのまま座ってました。大した会話じゃないんですけど、
その後お元気ですか?って言ったら、川島君も元気そうねって…日焼けして逞しくなったね、
可愛い彼女ができたんでしょ?って言われてしまいました ゛
そうか、それで本当に彼女できたのか? 
あははっ、できないですよ。男ばっかりで海に行ってこんなにまる焦げになりました(笑)。
当分彼女はできそうにないですね。洋子さんのこと、ちょっと引きずってしまっているようで… ゛
やはり、川島君の中にはまだ家内への思いが残っているようでした。多分家内もそうなのでしょう。












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